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若者よ、投資で喜び溢れる人生を! 第1回

競馬より投機的!? 株取引の"人生論的"オリエンテーション

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宮澤佐江のうまプロまだ観てないな〜
(「Thinkstock」より)
米Institutional Investors誌アナリスト・ランキング第1位(2000年)の藤根靖晃・株式会社ティー・アイ・ダヴリュ代表が、投資の本質を掘り下げることを通じて、資産運用、仕事、そして人生との正しい向き合い方を探る。

 ゼロ金利が続くなかでも、株式投資は一向に盛り上がらない。ときには火がついて「今度こそは」と期待するものの、瞬間的に燃え尽きてしまう。確かにバブル崩壊後の過去20年余りは、日本の株価は右肩下がりの展開が続き、投資家が報われることは少なかった。オンライン証券が本格普及した2000年以降、一時的に個人投資家層が拡大したものの、ITバブルの崩壊、ライブドアショック、リーマンショックなどの株価暴落に遭遇し、離散していった。

 その結果、日本の株式市場は個人投資家が不在であり(少なくとも中期的なリターンを求める投資家は極めて少ない)、そして機関投資家も株式を買わない、ただ外国人の売買に依存した、存在感の薄い代物に成り果てている。


 実際に株式投資は以前に比べて難しくなった。さまざまな投資理論やテクニックが喧伝されたことによって、少なくとも表面的には難しくなった。また、外国人が主導することによって、欧米の株式市場との連動性が高まり、海外の経済動向や金融政策を理解し、つぶさにウオッチしていないと足元をすくわれることも多い。短期的(6カ月程度)には、企業の個別要因よりもマーケット要因のほうが株価形成の決定要因としては大きいことから、市場全体のタイミングを見ながら売買を行う「マーケットタイミング」が重要になってきている。

 また、企業活動がグローバル化したことにより、日常の日本国内の景況感があまり役に立たなくなりつつある。確かに日経平均採用銘柄をはじめとした、知名度の高い大手企業の株式に関しては、個人投資家が勝つ余地は、以前より少なくなってきていると思う。

 個人的には、個人投資家が、年中マーケットに張り付いているプロの投資家と同じ土俵で戦う必要なんてないと思う。こうした知名度の高い企業は、新聞・雑誌などのニュースに取り上げられやすいことから、情報が入手しやすくなるいっぽうで、情報過多から分析も複雑になっている。だから中途半端な知識では戦えない。同じ土俵で戦おうとするならば、結局は自分が何に投資をしているのかを見失うだけである。


 本コラムは投資(特に株式投資)を中心に書いてゆくことになると思う。しかしながら、若いビジネスパーソンの方を対象読者とした執筆を、本サイト編集部から依頼されたことも理由であるが、投資のテクニックについてのみ積極的に述べるつもりはない。"投資"を通じて得られるビジネスの疑似体験や、自己分析や心理的葛藤、勝利することの喜びを感じ取っていただきたい。そして、リスクを取ることに前向きな人生観を創造していってほしい。これからの日本に求められるのは、責任とリスクを引き受ける覚悟を持った人材であることは、申し上げるまでもないだろう。

さて、そもそも投資とはなんであるのか?

 昨年、ある講演会で質疑応答を行った際に、「"投資"と"投機"の違いはなんでしょうか? 株式投資は"投資"で、競馬は"投機"なのはなぜでしょうか?」という質問が出た。今から思えば非常に良い質問である。