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【1】ソフトバンクと孫正義の正体

ソフトバンク──”借金”の歴史と”使い捨て人脈”の系譜

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 こうした投資における立役者のひとりが、現在はSBIインベストメントのCEOを務める北尾吉孝氏だ。野村證券出身の北尾氏は、銀行に頼らず、証 券会社を通じて債券で資金調達する手法を日本に持ち込む。これによって、5000億円もの資金調達を実現し、孫社長による数々の買収・投資案件を支えてき た。

 当時のソフトバンクの実態は投資銀行的な企業であり、借金によって金をかき集め、めぼしい企業を買い漁っていただけともいえた。その投資も、決し て成功率が良かったわけではない。ただひとつ、米ヤフーという”大当たり”が、他の失敗を補って余りある資金をソフトバンクにもたらした。一時ソフトバン クは米ヤフー株の45%を取得しており、同社の巨大化により莫大な資産をソフトバンクにもたらした。また日本のヤフーが巨大ポータルサイトに成長し、莫大 な広告収入をもたらしていることは、日本人なら誰もが知るところである。当時の出井伸之・ソニー社長も、孫氏を評して「選択眼のいいギャンブラー」と語っ ている。一方で、この頃からすでに有利子負債は大きく膨らみ5000億円近くに達しており、その経営手法を危ぶむ声は小さくなかった。

 90年代の末には、ITバブルが極限にまで膨らみ、ソフトバンクの株価も最高値を記録。この頃IT起業ブームが起き、後にライブドア事件で世間を 騒がす堀江貴文氏を初めとする数々のITベンチャーが登場した。孫氏もナスダック・ジャパンを設立するなどし、バブルの膨張に加担したことは否めない。

買収による倍々ゲームで急激に事業を拡大

 00年代に入ると、日米共にITバブルがはじけ、高い株価を背景にした「時価総額経営」が難しくなってきた。ソフトバンクが90年代に買収した IT企業も業績を悪化させたことから、次々と手放さざる得なくなる。そんな折に孫氏が新たに目をつけたのが、ブロードバンド事業。突如「ヤフー!BB」ブ ランドでのADSL事業参入を発表、圧倒的な低価格を打ち出したことから、大いに注目を集めたのだ。

 だが、あまりに準備不足のままスタートした上、街ゆく人にモデムを手当たり次第に配るような強引なキャンペーンも批判の元となった。当時を知る社 員は「お客さんに約束したサービス開始日になっても開通していないなど日常茶飯事。顧客データベースもボロボロで、問い合わせメールもまともにさばけず放 置状態。本当にめちゃくちゃでした」と振り返る。また、安い価格設定の半面、ユーザー獲得のための費用がかさんだことから大幅なコスト増を招き、一時期は 2000億円を超える赤字に陥ってしまった。

BusinessJournal編集部

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