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闘うジャーナリスト・佐々木奎一がゆく! ワーキングクラスの被抑圧者たち 第二回

「『会社に残りたい』は寝言」富士ゼロ”脅迫”解雇事件の闇

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 I氏とH氏は、Aさんの出退勤時刻と、入り口ゲートの入室、退室時間を調べ上げ、計数十回も不一致があったと指摘してきた。その時の様子をAさんはこう語っている。

 「終始、まるでドラマの取調室にいる容疑者のように取り扱われ、その雰囲気に頭が真っ白になりました。IとHは威圧的に質問し、特にHは、大声で怒鳴りながら質問してくるので、とても怖かった」

 Aさんは、これに泣きながら答えたという。

 この時の会話の内容を、富士ゼロは録音していて、テープ起こしした文書を裁判資料に添付している。それによると、こんな会話がなされていた。

 H氏「虚偽の入力をすることは社員と会社の信頼関係を壊すだけでなく、詐欺行為と同じだ!」「社員としての資質がない!」

 I氏「詐欺行為は、重大な案件であると考えざるを得ない」

 Aさん「この数字の分は、お返しします。これからは1分単位で…」

 H氏「これからがあると思っているのか!」

 Aさん「クビですか?」

 その後、Aさんは顛末書を書かされた。なお、人事部が「詐欺行為」と指摘しているAさんの出退勤時刻の誤入力による過剰請求額は、合計1万1688円。 

 さて、Aさんはこの事情聴取で「営業部隊はもともと勤怠に関して甘くなっているところがあります。(出退勤の)入力も毎日ではなく、1週間に1回となっていました。ほかの営業の人たちも……」と、弁明しようとした。すると、突然、H氏は「今日はあなたのことについて聞いている。ほかの人の話はしなくてよい!」と怒鳴り倒した。この会話からも、ほかの営業マンもAさん同様、アバウトに入力しているのに、Aさんを狙い撃ちしていたことがうかがえる。

 この日以降も事情聴取は続き、同年3月11日、I氏は「職を辞して懲戒解雇を避けたいのか、手続きを進めるのか。自主退職であれば退職金が出る。『会社に残りたい』これは寝言。あなたの進退をはっきりさせてほしい。自主退職を申し出るのか、会社から放逐されるのか、決めてほしい」と迫った。

 陳述書によると、Aさんは「自主退職しないと懲戒解雇される」と確信し、絶望感でいっぱいになり、足も震え、心臓の鼓動が激しくなり、息苦しくなり、しばらく放心状態だったという。

 こうしてAさんは「罪を償い、職を辞して、責任を取りたいと考えます」と一筆記し、退職届を提出して、会社から放逐された。

BusinessJournal編集部

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