ビジネスジャーナル > キャリアニュース > 米国製エリート話題本すごい?  > 2ページ目
NEW
気鋭の識者が語る“話題のビジネス書”の長所と短所

話題本『米国製エリートは本当にすごいのか?』はすごい?

【この記事のキーワード】,

 中堅大学の教員である私にとっては怖い話です。大学がどんどん潰れる時代は、すぐそこかもしれません。そもそもこの予測では、大学進学率が55%で維持されることを前提としているので、楽観的すぎるとも言えます。大卒の就職が厳しい現状を考えると、今後は進学率が低下することも十分に考えられるからです。

 焦っているのは、中堅以下の大学だけではありません。上位校も、海外との競争などを考えなければならないからです。例えば、この4月から、プリンストン大学やスタンフォード大学をはじめとする米国の著名大学の講義をオンラインで無料で受けられるサービス「Coursera」(https://www.coursera.org/)が始まりました。

 これまでもiTunes Uなどを通じて、ネット上でさまざまな海外の有名大学の講義を見ることができました。しかしこのCourseraというサービスは”双方向”という点で一歩先を行っています。また以前から講義資料をwebに掲載している大学はたくさんありますし、日本でも増えてきました。加えて放送大学(http://www.ouj.ac.jp/)の講義なども、とても勉強になります。

 これらのサービスと比較されたときに、日本の大学は今後も学生から選ばれるのでしょうか。講義の配信技術の進歩により、一部の有名大学が大量の学生を抱えて、残りは倒産する可能性だってあるのです。

 またブッシュ大統領親子やクリントン大統領夫妻も卒業した米国の名門イェール大学は、来年シンガポールで新しい大学を開設します。このような黒船が日本に来るかもしれません。

 最近、ハーバード大学のサンデル教授がテレビ番組や書籍でブームになりました。あの講義を見た人の中には「アメリカの先生は話が面白いし説明が上手だけど、日本の先生はダメだよね」と思った方も多いでしょう。

 そんなこんなで、大学教員にとって、アメリカの教育制度とはとても気になる存在です。

 
エリートたちが書いた留学記とは違う

 
『米国製エリート~』ですが、まず裏表紙をめくると著者紹介があります。著者は佐々木紀彦さん。慶応義塾大学の総合政策学部を卒業後、東洋経済新報社に勤務。2007年秋より、アメリカ西海岸の名門スタンフォード大学におよそ2年間留学し、国際政治経済専攻で修士号を取ったそうです。

 さっそく読み始めましょう。まず本書の目的は、

「一人の日本人の視点から、『米国の一流大学で行われているエリート教育とはどのようなものか』『その教育システムとそれが生み出す学生たちには、どのような強みと弱みがあるのか』『日本人がそこから何を学ぶべきで、何を学ぶべきでないのか』を記すこと」(p.3)

とあります。なかなか良さそうな感じですね。

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

『米国製エリートは本当にすごいのか?』 米国留学を仮想体験できる amazon_associate_logo.jpg

話題本『米国製エリートは本当にすごいのか?』はすごい?のページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、, の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!