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勝次官による政権への食い込みは、こればかりではない。小沢一郎氏が官房副長官時代に秘書官を務めた香川俊介氏(79年入省)を官房長に留任させ、同期の木下康司氏を昨年8月2日付で国際局長に回した。野田首相が財務大臣時代から最も腐心していた円高対策への配慮にほかならない。「柔軟でバランスのとれた木下氏を国際局長に据えることで、いつでも為替介入できる布石を打ったようなもの」(永田町関係者)と受け止められている。
実際、この布陣で、昨年10~11月には約9兆円に及ぶ為替介入を実施している。さらに今回、勝氏の信認の厚い松尾氏を為替市場課長に据えることで、円高阻止への態勢を強化した。
財務省は15年ぶりの悲願である消費増税を危うくする円高は、断固として阻止する構えだ。
(文=森岡英樹/金融ジャーナリスト)
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