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山田厚史「日経新聞の“正しい”読み方 第2回」

バブルを煽り、企業の御用メディアに成り下がった日経の醜態

文=山田厚史/ジャーナリスト 元全国紙経済部記者
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 北沢編集委員が「バブルの主役」とした企業の財テクも、日経が盛んに紙面に煽ったことである。経理屋に甘んじる担当者は無能で、カネがカネを生む仕事こそ財務の使命である、という新常識を流布した。

企業との太いパイプ

 日経225は証券会社の商売道具になり、選定銘柄にした企業と日経は太い絆を結び、広告収入につながる。金融新聞は銀行や保険会社の支店網が買ってくれる。それがバブルに便乗した日経のビジネスモデルだった。

 あの時代に甘い協力関係を結んできた御同輩に責任をかぶせるが、日経は「客観的なレポーター」として蚊帳の外にいたというのか?

「日曜に考える」は悪くない企画である。

 情報枯れの週末紙面を企業の提供情報で埋めるより、ベテラン記者が経済の読み方を提供するほうが読者には有り難い。ならば読み応えする記事がほしい。「経済史を歩く」なら、自分たちの誤りも含め、きちんと歴史を総括する視点があっていいだろう。誤りを認めることは、今の過ちを回避する手がかりになる。

 日経の喜多社長はバブルの頃、金融キャップとして第一線で指揮を執った人である。

 当時を一番よく知っているのは、社長かもしれない。編集委員ならそこに踏み込む胆力があっていい。「困る」と経営陣が言うなら、それはそれで日経らしいことだけど。 
(文=山田厚史/ジャーナリスト 元全国紙経済部記者)

山田厚史/ジャーナリスト 元全国紙経済部記者

山田厚史/ジャーナリスト 元全国紙経済部記者

1971年大手新聞社入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送テレビ番組で、コメンテーターなども務める。

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