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中国をつけ上がらせた親中派の財界人&経済人列伝【6】

イオン「店舗を襲撃されてもニコニコ」中国経済に貢献した企業の今

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 夏原平和・現社長は9月27日の決算発表の記者会見で、湖南省の首脳と会談し、円滑な事業環境の構築を要請したことも明らかにした。「略奪などの容疑者の指名手配もされている」と中国側の姿勢を評価し、来夏、開業予定の4号店は「予定通り進める」とした。被害が比較的少ない2店舗は11月中旬までに再開する予定。放火や破壊、略奪など大きな被害を受けた1店も12月の再開を目指すとしているが、「中国側の姿勢を評価する」というのはいただけない。こういう姿勢だから中国になめられるのだ。

ヤオハンの和田一夫オーナー

 日本大学経済学部卒業後の51年、両親の営む八百屋・八百半商店に入社。68年、八百半デパートに改称し社長就任。71年、日本の流通業の海外進出第1号としてブラジル進出。89年、ヤオハンデパート会長。同年、持ち株会社ヤオハン・インターナショナルを設立、代表取締役会長となる。さらに香港にグループ総本部を作り、90年、家族とともに同地に移住した。1996年、総本部の上海移転とともに上海に移る。97年、上海市栄誉市民賞を受賞したが経営危機に陥り、日本に帰国した。同9月にヤオハン・ジャパン(旧ヤオハンデパート)が経営破綻、和田はヤオハン関連の全ての役職から辞任、ヤオハン・グループは崩壊した。和田は04年、上海に移住、現在は中国企業や中国関連プロジェクトの顧問などを複数務めている。

 和田は中国に対し「中国への思い入れというか、ご恩返しということがあります。中国は日本との戦争で、あれだけ大変な目に遭ったのに日本を分割統治することに反対し、いっさいの対日賠償を要求しなかった。一番被害を被った国が賠償を放棄してくれたおかげで、戦後の日本は繁栄できました。だからこのご恩はくれぐれも忘れてはいけません。ですから、私は、その恩ある国が困っているのを見て、私にできることはないだろうか、中国のご恩に報いる道はないだろうかと考えて、香港への移住を決意したのです」と述べている。

 本シリーズの冒頭で述べたが「戦時中の罪滅ぼし」と考えた経済人はあまたいたが、和田一夫はその筆頭に位置する。

イオンの岡田卓也・名誉会長

 イオンの岡田卓也・名誉会長相談役は09年5月15日、北京市名誉市民賞を受賞した。北京市との長年にわたる植樹活動や社会貢献活動が評価されたものだ。名誉市民賞は北京市に貢献した外国人に与えられる最高の賞で、日本人の受賞は鈴木俊一・元東京都知事、福原義春・資生堂名誉会長に続いて3人目であった(その後も受賞者は出ている)。

 北京市人民政府で郭金龍・北京市長から賞を授与された岡田氏は「名誉市民に認められ光栄です。今後も日中交流、環境対策に貢献したい」と述べた。また、岡田氏が理事長を務めるイオン環境財団は翌5月16日、万里の長城周辺の森林を再生させるため98年以来続けている植樹を行い、岡田氏もこの時、参加した。

BusinessJournal編集部

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