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アップル参入で注目! グーグルが牛耳るデジタル地図業界

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 地図はゼロから作るものではない。デジタル地図が消費者に届くまでに大きく4段階に分かれる。

 まず1段階目で、国土地理院や各地方自治体が基盤地図を作成する。この基盤地図に独自の調査や測量結果を付加して地図を作るのが、地図調整会社だ。デジタル地図の調整会社は、国内では住宅地図に強いゼンリン、トヨタ自動車子会社のトヨタマップマスター、観光情報に強い昭文社、パイオニア子会社で道路地図に強いインクリメントPの4社しかない。それぞれ各社の強みに合わせた情報が地図に記載されていく。これが2段階目だ。

 この4社が作成したデジタル地図を供給されるのがグーグルやアップルに代表されるプラットフォーム会社だ。3段階目に当たるプラットフォーム会社はデジタル地図を地図調整会社から購入し、自社のOSやアプリケーションの上に再構築する。地図調整会社から提供されるデータは膨大な情報があり、どの情報を選択するかをプラットフォーム会社が判断する。今回、騒動となったアップル製の地図に間違いだらけの不具合が生じたのは、パイオニア子会社で道路地図に強いインクリメントPなどから提供を受けたデジタル地図に対し、アップル側に「何を強調して何を表示するか」という編集作業が不足していたことが大きな原因だという。

 最後の段階として、このデジタル地図を使い、独自の位置情報サービスやアプリを提供するソリューション会社がある。たとえば、経路検索のナビタイムや店舗情報検索のぐるなびなどがこのソリューション会社にあたる。

 さらに地図情報はリアルタイムで集積、更新され、“ビッグデータ”となる。  たとえば、グーグルマップには「交通状況」という渋滞情報の表示機能がある。道路が「低速」から「高速」まで4色に塗り分けられ、リアルタイムの渋滞情報を提供してくれるのだが、実はこれは街を移動しているアンドロイド(グーグルの携帯電話向けプラットフォーム)のスマートフォンを使っているユーザーのうち、「マイ・ロケーション(現在地)」機能を有効にしているユーザーの位置情報と速度データをグーグルが常に収集し、計算処理、リアルタイムの交通情報を表示できるようになっているのだ。

 こうしたグーグルの地図ビジネスの進化を見て、乗り遅れまいとアップルもデジタル地図に参入をしたのだろうが、アップルでさえも失敗をせざるをえないのが、地図の世界の奥深さだ。

 地図調整会社のゼンリンの高山善司社長はインタビューに答え、「当社はこれまで、顧客の言う仕様通りの地図を作るということを得意としてきた。しかし、それだけでは足りなくて、『あなたの顔、あるいはプロフィールを見るだけで、あなたが今、最も必要としている最適な地図を作ります』という発想が必要になる」と語っている。アップルが参入し、デジタル地図戦争ははじまったばかりだ。

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