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1000円の書籍で利益は100円、欲しい本も入らない…書店はツライよ…

楽天が取次事業参入?に見る“ややこしい”出版ビジネスの裏側

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 子供や高齢者などPCの扱いが苦手な人は、街の書店が消えたことで、本を入手するのが難しくなってしまっている。店があっても、人気のコミックスやテレビで話題になるような新刊書しか置いていないということも多い。少し前に出版された本や、あまり人気のない題材の本を読もうとすると、1週間以上待たされるのが当たり前になっていた。この状態が改善できる。

 また、速く入手できるからネット書店を使っているが、できれば書店で購入したいという人もいるだろう。利益の行き先という難しいことを考えなくとも、毎週買っている週刊誌があったり、毎月購入するファッション誌があるから、どうせなら一緒に買えれば楽なのにと思う人は少なくないはずだ。しかも書店で購入すれば、段ボールゴミがたまらない。

 街の書店にとっては楽天もネット書店の1つであって、ライバルであり敵だ。しかし自分では持ち得ない大型倉庫を持ち、最短即日で発送してくれるとなれば役には立つ。「敵の敵は味方」という理屈で、楽天を二次取次として利用する判断をする書店も出てくるだろう。

 取次というのは1書店が1社に絞らなくてはいけないものではない。複数取次と取引をしている書店は数多くある。仮に楽天の二次取次を利用する場合にも、新刊書は従来どおり大手取次から回してもらうことができるし、時間がかかってもよい取り寄せも大手取次を利用することは可能だ。もしかしたら、小規模書店にとって光明となるかもしれない。

●書店は使う? 本格化する?

 一次報道では楽天が実際に取次業務を行う上で書店側からどの程度の利益を得るのかが書かれていないが、無償で倉庫業務を行うことはないだろう。書籍は販売価格が定められているため、削られるのは書店の取り分だ。実は大手取次でも通常の取り寄せフロー以外に特急取り寄せという方法はあり、在庫さえあるならば数日で書店まで来る。しかし書店側の取り分は削られる。

 書店の取り分というのは非常に少ない。書籍価格や契約にもよるが、一般的に定価の20%強というところだ。1000円の書籍を販売したら、200〜250円程度が書店に入る。ちなみに取次の取り分は10%以下といったところだ。もし楽天が大手取次と同じく10%以下の手数料を取るとしたら、書店の取り分は10〜15%程度ということになる。1000円の書籍ならば100〜150円程度の利益というわけだ。

 おそらく、大手取次の特急取り寄せよりも、楽天を利用したほうが速く入手できるようにはなるだろう。しかしもともと薄利だといわれている書店が、このサービスをどう受け止めるのだろうか。

 実はこのサービス、まだ本格的な展開が決定されたわけではない。2012年10月から2013年春までの実証実験で、地方都市を拠点とする8書店が参加するのみだ。経済産業省が推進している書店活性化事業の一環として実施されるもので、仮にうまく行けば本格的な展開が行われる。楽天側の対応力と、書店側の反応を見守りたいところだ。
(文=エースラッシュ)

BusinessJournal編集部

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