NEW

代官山ツタヤに見る、“リッチな”シニア市場攻略のカギ

【この記事のキーワード】

,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

若者にも大人気の「代官山蔦屋書店」
 わが国最大の人口ボリューム層である1947~49年生まれの団塊世代約800万人が、今年から65歳を迎えて本格的な余暇生活に入り、年金の満額受給が始まった。ちなみに彼らは、額面通り年金を受け取れる“最後のハッピー世代”とも言われる。

 一方、世界で突出する日本の個人金融資産1500兆円の約6割、900兆円が60歳以上の富裕層によるものだ。この巨大金融資産が動き出して内需に向かえば、現在のデフレ不況など一発で解消するだろう。

 ともあれ、こうした時間も金もたんまりとある、最後の豊穣市場とも言えるシニアマーケットを攻略せよとばかりに、大手流通各社は、新商品や新業態、新サービスの開発に躍起になっている。しかし寡聞にして筆者は、そうしたシニアマーケットを大きく花開かせたような国内成功事例を知らない。

●成熟したシニア市場を持つ米国

米国の代表的ライフスタイルセンター
「ショップス・アット・チノヒルズ」(LA)
 一方、米国では、すぐれたシニア業態が百花繚乱のように咲き乱れている。たとえば熟年向けの人気のカジュアル「トミーバハマ」(来春、東京・銀座に日本初進出予定)や「コールドウォータークリーク」、婦人服の「Jジル」や「チコズ」、下着の「ソーマ」などで、これらショップが、オーガニックスーパーの「ホールフーズ」などとともに、米国の高級住宅街エリア等に立地する「ライフスタイルセンター」と呼ばれる商業施設(ショッピングセンター)の定番テナントになっている。

 そうした彼我の違いの背景にあるのが、文化の差異だ。少なくとも米国には、いわゆるハッピーリタイアメント族をリスペクトする文化がある。たとえばサクセスシニアが居住する街区は、米国ファミリー層垂涎の住宅地でもあり、その近くにあるライフスタイルセンターで日常の買い物や消費をすることが、彼らのステイタスなのだ。

 翻って日本には、そんな文化やインフラがそもそも存在しない。それもあり、単にシニアの業態や商品を開発するだけでは、一発ヒットはあり得ても、持続性や市場拡大性に乏しい。加えて団塊シニアは、こだわり屋で気難しい消費層が多いといわれ、余計一筋縄では行かない。

●「シニア文化がカッコいい」という情報発信

 ではどうすれば、日本で効果的なシニアマーケットの攻略ができるのだろうか?

 そのカギを握るのは、「シニア文化がカッコいい」という情報発信にあると思う。前述したように、米国のサクセスシニアと彼らが使うライフスタイルセンターは、若いファミリーはもとより、ヤング層からも憧れの的だ。

 一方、国内ではこんな事例がある。やや旧聞に属する話だが、「サライ」(小学館)というシニア向けのライフスタイル雑誌が、カメラのライカの大特集をやったところ、真っ先にそれに反応したのが(通常はサライの読者層ではない)若者たちだったという。その後ライカは、中高年のみならず、若い層にも大人気のカメラになった。大人文化の情報発信における好例である。

 その現代版の好例ともいえるのが、昨年末にオープンした「代官山 蔦屋書店」(「代官山 TSUTAYA」)だ。ご存知の方も多いと思うが、同店はおしゃれな若者にも大受けして、東京の人気新名所になっている。

 じつはこの店、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブのオーナー社長である増田宗昭氏(1951年生まれの61歳)が、自分と感性の近い、東京のおしゃれで高感度なシニアのために開発した店とされ、そのコンセプトは「新しい大人文化を提案する街」だ。

『siroca 米粉/ごはんパン・餅メニュー搭載 2斤ホームベーカリー』


リタイア後はお家でゆっくりパンを焼くのもよい

amazon_associate_logo.jpg