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Instagram利用規約騒動にみる教訓とリスク

炎上で露呈…グーグル、アマゾンでもユーザーに所有権ない?

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instagram1226_02.jpgThe New York Timesが報じた、Instagramのアカウントを削除したユーザーの事例
instagram1226_03.jpg米Wiredには「Instagramのアカウントを削除する方法」という記事まで掲載された

●Instagramは謝罪するも、集団訴訟に発展

 この騒ぎを受けてInstagramでは、(1)の条項の記述を取り下げると共に、Instagram公式ブログ(Tumblr)上で同社共同ファウンダー(創業者)、Kevin Systrom氏の名前で「我々の告知が誤解を与えるものだったと謝罪し、Instagramはユーザーの写真を勝手に売ることはないと強調し、ユーザーの写真の所有権や閲覧できる範囲について一切変更がない」と声明を発表した。

 さらに、同社の公式Webサイトでは、12月20日に改定された新利用規約が公開された。また、この規約は13年1月19日から有効になることも明記されている。しかし、この新規約はかなりの長文で、3万文字を超える大変な長文だ。しかも英語でのみ記述され、日本語訳はない。

instagram1226_04.jpgInstagramの最新の利用規約、かなりの長文だ

 そもそも規約やプライバシーポリシーといった文面はわかりにくく、長文のものが多い。今回の騒動も、最初に掲載された文面の意味がわかりにくく、読みにくかったため、大きな誤解が生じたものと考えられる。また、日本語の文面がないため、日本のユーザーはTwitterやまとめサイトなどで交わされる情報を鵜呑みにし「Instagramをやめる」ユーザーが続出したことも否定できない。

 このような状況の中、12月25日のロイター電は、12月21日にカリフォルニア州在住のInstagramユーザーが、契約違反などを主張してInstagramをサンフランシスコの連邦地方裁判所に提訴したことを報じた。同社の親会社であるFacebook広報担当者は「断固として戦う」というコメントを出しているという。まだまだ騒ぎは収まる様相を見せない。

●今一度、利用規約を理解して冷静に判断しよう

 この民事訴訟によって、これまで明るみにされていなかったような事実が発覚し、新たな問題が浮き彫りになるのか、それとも、単なる現状の問題を指摘するにとどまるような訴訟で終わってしまうのかはわからない。

 だが、裁判の行方はともかく、深刻な問題点は、Instagramが難解で長文の規約やプライバシーポリシーのみ(しかも英文のみ)を掲載するにとどめているということだ。日本をはじめ、非英語圏のユーザーは、これらの規約やプライバシーポリシーを理解しないまま使わざるを得ないという現実がある。少なくとも、Instagramはワールドワイドなサービスであり、アプリを配布する国々の言語で、わかりやすく説明をすべきだろう。少なくともFacebookとInstagramは、この件を教訓にして、さらなる努力をすべきと考える。

 同時に、私たちが利用しているWebサービスは、自分のデータやプライバシーをどう扱うのかを、これを機会にしっかり理解しておくことが求められている。

 たとえば、Google純正のストレージサービス「Google Drive」も同様の騒ぎがあり、

「ストレージにアップしたコンテンツは、Googleが勝手に使ってもいい」

「アップされたコンテンツはGoogleが所有する」

ともとれる内容の利用規約やプライバシーポリシーが掲載されている。その内容は次のようなものだ

BusinessJournal編集部

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