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東日本大震災以降、消費者の意識が変化?

大手百貨店各社、業績底打ちで復調の実態…相次ぐ大改装、高額品販売好調のワケ

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 アベノミクス効果が顕著に現れているのは企業価値の方だ。3月29日の日経平均株価は前年3月末に比べて23%上昇。3年ぶりの高い伸び率を記録した。脱デフレや経済成長への期待が投資家の間で広がり、資金が日本の株式に回帰する動きが広がった。株価上昇で企業の価値を示す株式時価総額は大幅に増加した。

 野田佳彦前首相の解散・総選挙表明とともに、百貨店株は動意付いた。2月の全国百貨店売上高が2カ月連続のプラスとなったことから、アベノミクスによる株高の資産効果が再確認できたとして勢いづいた。

 三越伊勢丹HDの4月10日の株価の終値は1539円。昨年来安値の698円(12年11月12日)から2.2倍に上昇した。株式時価総額は6076億円だ。J.フロントの終値は787円。昨年来安値の353円(12年1月16日)から2.2倍、株式時価総額は4220億円だ。高島屋のそれは1084円。昨年来安値482円(12年11月12日)の2.2倍。株式時価総額は3586億円である。

 松屋は急騰した。銀座本店を13年ぶりに大改装して海外の高級ブランドを集積したフロアをつくる。買われたのは、銀座本店など都心に土地を保有している「土地銘柄」としてだ。リニューアルした浅草店は、東京スカイツリー効果もある。3月15日には、年初来高値の1820円をつけた。昨年来安値433円(12年1月12日)の実に4.2倍。さすがにその後は株価は調整しており、4月10日の終値は1693円だった。それでも昨年来の安値の3.9倍だ。

 4月9日に、主要百貨店の13年2月期決算の発表が始まった。J.フロントは売り場を1.4倍に拡張した大丸東京店が牽引し、売上高は前年同期比16.1%増の1兆927億円。本業の儲けを示す営業利益は308億円(同42.9%増)で増収営業増益となった。しかし、当期純利益は同35.2%減の121億円だった。高島屋は売上高8703億円(同1.4%増)、営業利益254億円(同20.7%増)、当期純利益165億円(同51.8%増)と増収増益。

 14年2月期の予想はJ.フロントが売上高1兆1500億円(5.2%増)、連結営業利益は400億円と6期ぶりに過去最高を更新する。最終利益は290億円で2.4倍だ。高島屋の売上高は8970億円(同3.1%増)、営業利益は280億円(9.9%増)と6年ぶりの高い水準に回復する。最終利益は167億円で1%増を見込む。「高額消費が一部の富裕層以外にも広がりを見せている」(J.フロントの山本良一社長)

 百貨店大手の3月の既存店売上高は、大半が前年同月比で5%以上伸びた。主要百貨店株の一段の水準訂正が期待される。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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