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フジ『最高の離婚』、“実際の”視聴率は2倍? 正確な視聴率調査が行われないワケ

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藤平 その通りです。今の視聴率調査では先にご説明した視聴の「定義」が邪魔をして、例えば職場や公共の場所など、自宅以外で視る番組の視聴もそうですが、携帯電話やスマホ、自動車搭載テレビの視聴や、録画したものを再生で視るケースの測定は、すべて「uncounted viewing」、つまり「視聴の測定漏れ」となってしまっているのです。

--実態を反映させた視聴率を測定するには、どういう調査が望ましいとお考えですか?

藤平 ひとつの例として、データニュースという会社が行っている「テレビウォッチャー」というウェブ調査があります。この調査は、20歳以上の男女を対象に、毎日、地デジ7局とBS7局の計14局すべての番組表を送信して、彼らが視た番組をクリックしてもらいます。その上で、どのくらいその番組を視たのか、つまり「全部視た」のか、「半分以上視た」のか、または「3分の1程度」だったのか、あるいは録画で視たのかなどを回答してもらいます。

 また、その番組を視た人には満足度を5点法で評価してもらい、具体的な感想も記述してもらいます。この調査は視聴率ではなく、「回答者数3000人の中で、実際に何人がその番組を視たのか」を調べる視聴者数をカウントするもので、接触数という呼び方をしていますが、「テレビの視られ方」をより具体的に反映しているのではないでしょうか。テレビの視られ方が多様化した今日、このように実際に視た人のデータを読み取る指標が必要になっていると思います。しかも、より大きなサンプル数の調査なので、性別や年齢別に詳しく分析することもできます。近く5000にまで拡大する計画にあるとも聞いています。

 ただ、このデータはインターネット調査ですから、調査サンプルに代表性がないという欠点もあります。しかし、今の時代に「サンプルの代表性」が得られる調査は存在しなくなっているのです。であるならば、「経済性」と「迅速性」、「有用性」がニーズに合致していれば、十分に使えるデータになり得ると思います。そのためにもしっかりとした「ノーム値」を持っておかねばなりません。この調査は、例えば月曜日の番組は木曜日に結果が出ますので、発表までに3日を要しますが、番組の視られ方のほか、視た番組の評価や具体的な感想、録画の状況を測定できるのであれば、それは大きな進歩ではないかと思います。

●ドラマでは、録画視聴者のほうが多い番組も

--この調査結果をみると、やはりドラマは録画で視る人が多いようですね。

藤平 ドラマの中でも、『夜行観覧車』(TBS系)や『最高の離婚』(フジテレビ系)、それから『母。わが子へ』(TBS系)など、ヒューマン・ドラマ色が強く、最初からじっくり視たい内容のものは録画で視る人が多い傾向が現れています。

 例えば、『最高の離婚』の2月14日の結果は接触者数(自宅の内外を問わず視聴した人数)145人に対して録画で視た人は209。3月1日の『夜行観覧車』は接触者数159人に対し、録画で視た人187人と録画で視た人のほうが多い。『とんび』(TBS系)も、第1回放送は接触者198人に対し録画182。最終回は接触者230人に対して録画166人と、録画で視る人が結構多い。低視聴率と言われていた『サキ』(フジテレビ系)も同様(最終回:接触者数139人、録画数151人)の傾向です。

 一方で、同じドラマでも、『相棒』(テレビ朝日系)やNHKの大河ドラマ『八重の桜』、朝の連続ドラマ『あまちゃん』のような番組は、録画する人は逆に少なくなっていますね。アニメやスポーツ、ニュース、バラエティーなども同様です。番組によって、どういう視られ方をしているのか、特徴がハッキリわかるのです。 

--これだけ録画でテレビを視る人が増えているのに、そうした事情を加味した視聴率調査はできないのでしょうか?

藤平 やろうとすれば、すぐにでもできますよ。すでにアメリカやイギリスでは数年前からやっていますし、それをもとにしてCMは売り買いされているのですから。そうした調査をビデオリサーチ社が開発できないのであれば、そのシステムを買いさえすればいいわけです。そうすれば、

 ・ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラスセイムデイ
  …24時間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス3デイズ
  …3日以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス7デイズ
  …1週間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率

の4つの視聴率の算出が可能になります。

--できるのに、行われない理由はなんですか?