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名門麻生家が九州経済を牛耳る!?

異例人事! 麻生財務相の実弟が九州財界会長に就任の舞台裏

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 麻生家は「華麗なる一族」として有名だ。母方の家系には明治の元勲、大久保利通、戦後の日本をつくった宰相、吉田茂といった歴史上の人物が名を連ねる。麻生太郎氏の義父は鈴木善幸・元首相。妹の信子氏は三笠宮寛仁殿下に嫁ぎ、皇室につながる。

 麻生家は麻生太吉氏が明治5年に福岡県飯塚市で石炭採掘業を始め、「筑豊御三家」と呼ばれるほど炭鉱で財を成した。戦後のエネルギー革命で石炭からセメント事業に転身。セメント事業の衰退から、さらに2度目の変身をした。「株式会社麻生」に商号を改め、病院・福祉・教育・人材派遣などに軸足を移した。

 今や、麻生学園などの学校法人と麻生飯塚病院などの医療法人が経営の2本柱。お嬢様学校として有名な福岡雙葉学園(幼・小・中・高)を傘下に持つことでも知られる。株式会社、麻生の株式は学校法人麻生塾が23.6%、麻生泰氏が5.2%、麻生太郎氏が4.8%を保有する。

 麻生グループのホームページによると、グループの総売上高は1450億円(12年3月期)。グループの社数は69社。グループ社員数は7251人と地場企業では大きい。しかし、中核企業である飯塚病院(病床1116床)を経営する株式会社・麻生の12年3月期の連結売上高は1039億円で、最終損益は4億円の赤字。業績は水面下にある。

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 先代来の炭鉱王兼衆議院議員で、吉田茂首相の資金スポンサーでもあった麻生太賀吉氏の三男が麻生泰氏だ。長男が元首相の太郎氏(急逝した祖父の名を継ぐ、家系図を参照)、次男の次郎氏は学習院大学在学中にヨットの遭難事故で死亡。妹が寛仁殿下の信子妃だ。

 泰氏は、慶應義塾大学法学部から英国に留学。オックスフォード大ニューカレッジを卒業。兄の太郎氏の政界進出にともない、1979年、麻生セメント(現・麻生)の社長に就任した。2010年6月、社長を長男の巌氏(38)に譲り会長に退いた。財界活動に軸足を移し九経連の国際委員会委員長、飯塚商工会議所会頭を務めている。

 後継者の巌氏は、幼稚舎からの慶應ボーイで慶應義塾大学経済部を卒業した。日本長期信用銀行からケンブリッジ大学に留学した経験をもつ。麻生では医療事業開発と新規事業開発を担当。病院などのM&A(合併・買収)に力を入れている。東証上場の動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴの社外取締役を務めている。

●「ぎょうせい」買収の不可解

 巌氏が注目を集めたのは2012年12月。社長を務める株式会社、麻生が都内の大手出版社「ぎょうせい」(東京都中央区)を買収したからだ。

 12年10月に麻生が設立した株式会社・プラネットホールディングスが同年12月、ぎょうせいと、その株式を保有していた有限会社・プラネットホールディングスの2社の株式を100%取得し子会社にした。買収価格は324億円。300億円は、みずほ銀行からの借り入れで調達した。巌氏は12年12月21日、ぎょうせいの代表権をもつ取締役に就任した。

(有)プラネットホールディングスはMBO(経営者が参加する買収)の際に、ぎょうせいの株式を引き受けるために作られた会社。役員は旧第一勧銀、旧富士銀の出身者。実態は、みずほ銀のダミー。(株)プラネットホールディングスとまぎらわしいが別の法人である。

BusinessJournal編集部

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