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「初音ミク」長期ブームを支える、販売元クリプトン社の“驚異的な”ライセンス戦略?

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弊社では、2007年12月の初期キャラクター利用ガイドラインの公表と同時期に、自社で開発したコンテンツ投稿サイト「ピアプロ」を開設いたしました。
「ピアプロ」はただのコンテンツ投稿サイト、素材置場ではなく、ネットに分散しているクリエイター同士がお互いの得意なコンテンツ(音楽、歌詞、イラストなど)を投稿し合い、協業して、新たなコンテンツを生むための”創造の場”を提供するサイトネットに分散しているクリエイター同士がお互いの得意なコンテンツ(音楽、歌詞、イラストなど)を投稿し合い、協業して、新たなコンテンツを生むための”創造の場”を提供するサイトです。
これを可能にするために、「ピアプロ」に投稿された作品は、原則としてすべてに、自動的にライセンス条件が付与されます。
このライセンス条件は、PCLとはまったく別物です。PCLが二次創作のクリエイターと弊社との間の関係であるのに対し、ピアプロの作品に付与されるライセンスは、二次創作のクリエイターと、その作品を利用する三次創作以降のクリエイターの関係を規定するものです。
このライセンス条件は、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」を参考に作ったもので、その条件もよく似ています。ピアプロの投稿作品は原則として「非営利目的」という条件のもとピアプロのユーザーに利用がライセンスされます。また、クリエイターは希望すれば「氏名表示」「非改変」の2つの条件を任意に追加することが可能です。

Q7-1:「PCLとは別物であるであるピアプロの利用条件」を知りたいのですが、どこで読むことができるでしょうか。ご指示頂けますようお願い致します。

こちらはピアプロの利用規約が根拠となっております。
http://piapro.jp/user_agreement/ の第11条第6項が根拠となります。
また、詳細についてはピアプロのFAQに記載がございます。
http://piapro.jp/help/#q_site39
ここより下にて、PCLとピアプロのサイトとしての機能に関するご説明を行なっておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。
このライセンス条件は、作品の作者と、その作品を使用することを希望するピアプロユーザーとの間で有効になるライセンスです。これによって、ピアプロユーザーは、ピアプロの投稿作品を、その作品のライセンスを守ることで、別途作者との間に契約などを締結することなく、自分の作品に使用することが可能になります。

Q7-2:三次創作以降の創作(N次創作)については、どのように理解すれば良いでしょうか。

1.弊社と、N次創作物を制作されたクリエイターとの間の関係
2.二次創作以降の創作物を制作された各クリエイターと、N次創作物を制作されたクリエイターとの間の関係
の2点を考慮する必要があります。

まず1.についてでございますが、PCLでは二次創作物を「弊社のキャラクターを描いた絵画の著作物に依拠した創作物」と定義し、前文において、かかる二次創作物を創作した時点において、その二次創作物がPCLによって許諾されるという建てつけを行なっております。
ここにおいて、二次創作物は「二次」とは記載されておりますものの、文理上、弊社キャラクターに依拠した表現が含まれている限りにおいて、三次以降の創作物をも包含しうるものとなります。なお、絵画の「初音ミク」を含む著作物をより正確に言えば、初音ミクを視覚的に表現した創作物(立体造形、CGなどを含みます)となります。

次に、2.についてでございますが、これはピアプロに投稿された二次創作物を利用した三次以降の創作物を、さらにピアプロにご投稿いただくことで問題をクリアできます。
こちらも、PCLとピアプロは全く別の役割分担を担っているというようにお考えください。「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」という名称でこそございますが、PCLはサイトとしてのピアプロでの二次創作物の利用のみを規定するものではなく、ピアプロはPCLの制定以前から存在しており、ピアプロのライセンス条件機能は、PCLとは無関係に、ピアプロというサイトの提供するサービスとして機能しております(言い換えますと、ピアプロのライセンス条件は、PCLの規定する「当社キャラクターの二次創作物」以外のもの、例えば投稿者の完全オリジナルのイラストや、ピアプロに投稿することを許諾されている他社キャラクター http://piapro.jp/license/other_character_guideline のイラストにも付与可能ですし、キャラクターとは無関係な楽曲にも付与可能なものです。

Q7-3他の権利者の許諾を得たある特定のキャラクターの(広義の)絵画の著作物に関しては、ピアプロ内に限りN次利用が可能となっているという理解で良いのでしょうか。

そのような意味ではなく、「ピアプロに投稿するうえで、これらキャラクターの権利者からの許諾を必要としない」というものです。ユーザーから、ピアプロへの投稿について問い合わせがあるもの、あると予想されるものについて、当社がユーザーに代わって事前に一括して権利者と協議の上このような一覧を作っております。したがって、ここについては、当社ではなく各キャラクターの権利者の意向となりますし、今回のお話の本質的な部分とは異なります。

Q: 7-4初音ミクを視覚的に表現した創作物以外の関係では、どのように調整されるのでしょうか。

もし初音ミクがアニメのキャラクターということであれば、言語の著作物や音楽の著作物についても規定の必要があります。
ただし、「ソフトを用いて合成された歌声」の使用については、合成音声ソフトの使用許諾契約(EULA)に記載の条件がございます。
したがって、歌声を用いた映像表現については、PCLに加えてこのEULAも条件となります(http://www.crypton.co.jp/download/pdf/eula_cv01.pdf)。
すなわち、すべてのN次創作について、当社とクリエイターとの関係はPCLで、クリエイター相互間の関係はピアプロでクリアランスする、という構造を取っております。

BusinessJournal編集部

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