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アジア移住人気のワケ 起業や節税、高水準な教育求める母子留学、親の介護も安価…

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 2つ目のキャリアアップのためのシンガポール移住が進んでいることも、富裕層・起業家の流入と関係している。ビジネス上の意思決定を行う人物がシンガポールに増えることで、必然的にそれをサポートする人材へのニーズも高まってきている。金融・経営コンサルティング業界の専門的人材や、弁護士、会計士などがそれにあたるが、アジアで最も規模が大きくダイナミックなビジネス上の意思決定がシンガポールで行われるようになってきたことで、上記のような専門的なスキルを持つ人材のシンガポールへの移住も増えてきている。私自身、この夏にはシンガポールに法人を設立する予定だが、日本で資産運用のアドバイスを行っていたお客様が、富裕層を中心にシンガポールに続々と移住していることが、シンガポール進出の背景にある。

●引退世代に人気のマレーシア、タイ

 ただ、この富裕層、起業家、専門的な人材の流入により、シンガポールの不動産価格はオーチャードなど人気エリアの高級コンドミニアムであれば、平米単価が500万円(100平米のコンドミニアムで5億円)の物件が出てくるなど高騰しており、多くの人にとって手が出なくなってしまっている。こうした不動産価格、生活費の高騰が、長くシンガポールに住むローカルの不満を増す要因となっているので、国内に税収や雇用を生む起業家以外へのビザの発行を、同国政府も絞り始めている。

 そこで、3つ目の引退層の移住先として注目を集めているのがマレーシア、タイだ。特に、マレーシアは日本人の移住先としてここ5年以上一番の人気となるなど、日本の引退層に絶大な人気を誇っている。

 マレーシアに移住する際に取得するビザが、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)だ。タイにも同様の引退層向けのビザはあるが、更新期間は1年と短いのに対して、MM2Hは10年間のビザであることが人気となっている理由だ。金融資産が1000万円以上あって、月額収入が30万円以上あることがMM2H取得の条件となっており、タイのビザよりも取得ハードルは高いが、夫婦の資産や所得を合算できるため、多くの日本人引退層にとって検討範囲内だろう。日本人のMM2Hの取得者数は2010年に200人であったのが、11年に400人、12年に2000人と激増してきている。

●介護施設費用は3分の1

 また、本人のみが対象のタイのビザと異なり、MM2Hは本人と配偶者、21歳以下の子どもに加えて、両親も対象となる。介護が必要な人物であっても一緒に移住できるため、最近では引退世代が、介護が必要な両親を連れてマレーシアに移住するケースも増えてきた。マレーシアの首都クアラルンプールを中心として、日本語を話せるスタッフが常駐する介護施設が増えてきており、コストも月額10万円以下と、日本の同等の施設と比較して半分から3分の1程度の費用で済み、非常にリーズナブルだ。介護施設に入る必要がなかったとしても、マレーシアでは住み込みのメイドさんが月額2〜3万円で雇えるため、家事や両親の世話などを手伝ってもらえることも魅力だろう。

 最後に4つ目として挙げた東南アジアへの母子留学も増えてきている。上記のようにシンガポールのビザは取得が難しくなっているが、シンガポール内のインターナショナル・スクールに子どもが通っていれば、保護者向けのビザが1つ発行される。これを利用して、幼少期から英語・中国語が学べ、質の高いインターナショナル・スクールが数多く存在するシンガポールに、小さな子どもと母親の2人で移住するケースが増えている。

 ただ、前述したようにシンガポールの不動産価格・生活費は高騰してきているため、シンガポールから近い、マレーシアのジョホール・バルに母子留学をするケースも見られ始めた。ジョホール・バルには、英国のマルボロ・カレッジや、米国のカリキュラムに準拠したラッフルズ・アメリカン・スクールなど、世界的な名門校が国策として集められてきており、母子留学先としての魅力を急速に高めている。

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