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時価総額1兆円超に!? ソフトバンクに親孝行

ガンホー株価100万円超 ソフトバンクによるたくみな株価吊り上げの実態

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 2本目の矢は、3月25日にソフトバンクは持ち分法適用会社であるガンホーを4月1日付けで連結子会社にすると発表した。ガンホーの筆頭株主はソフトバンクBB(議決権ベースの保有株比率33.63%)、第2位はハーティス(同18.50%)、第3位はアジアングルーヴ合同会社(同14.47%)となっている。

 ソフトバンクの孫社長が、弟の泰蔵氏の資産管理会社である第2位株主・ハーティスとの間で、同社が持つガンホー株式の議決権行使の委任を受けた。次にソフトバンクの子会社ソフトバンクモバイルが、泰蔵氏が代表社員を務める第3位株主・アジアングルーヴが持つ株式のうち、6.37%を上限にTOB(株式公開買い付け)を実施する。買い付け価格は1株34万276円、投資額は250億円。

 これによりソフトバンクグループは、ガンホー株式の保有比率(議決権ベース)を33.63%から58.50%に引き上げ、ガンホーを連結子会社にした。

 3本目の矢は、5月9日、13年12月期第1四半期(1~3月)連結決算と株式分割を発表した。売上高は前年同期比9.4倍の309億円(前期は32億円)、営業利益は同75倍の186億円(同2億円)。パズドラの人気で、わずか3カ月で12年1年間の売り上げを上回ったわけだ。パズドラの収益が営業利益全体のおよそ9割を占めた。

 同時に6月末を基準日として1対10の株式分割を実施すると発表した。これにより、3カ月間で株式が100分割されることになる。

 株式の100分割を株価高騰を生み出す錬金術として使ったのが、堀江貴文氏が率いるライブドアだった。03年11月19日に100分割を発表した日の株価212円(終値)が2カ月後には1802円(同)と、8.5倍に高騰した。ライブドアを真似た大幅な株式分割が流行り、100~200分割をする新興企業が相次いだ。

 孫社長が仕掛けた3本の矢作戦は見事に的中した。10分割を発表した2月14日の株価は157万4000円(終値)、分割前日の3月26日には415万円(終値)と2.6倍に上昇した。5月9日、さらに株式の10分割を発表。5月14日には155万円(終値)に高騰した。分割前に戻して計算し直すと1株1550万円である。2度の株式分割で株価は9.8倍になったことになる。

 安倍政権の経済政策アベノミクスによる株式市場のにぎわい、スマホ向けゲームのパズドラの大ヒット、それに株式100分割のトリプル効果でガンホー株は暴騰した。

 最大の受益者は、仕掛け人のソフトバンク孫正義社長だった。ソフトバンクは2014年3月期第1四半期(13年4~6月)から国際会計基準(IFRS)を適用する。ガンホーを連結子会社にしたのに伴い、「既存の投資持分について公正価値による再測定を行った結果、1500億円の利益を計上する」と発表した。ガンホー株の高騰で1500億円の含み益が生じたという意味だ。250億円のTOB資金を投じて得た利益は1500億円。わずか数日で6倍のリターンを得た。ノーリスク・ハイリターンとはこのことだ。

 ガンホーを連結子会社にしたことで1500億円の利益の押し上げ効果が発生し、営業利益は初めて1兆円の大台を突破する。

 だが、ネットバブル時代を彷彿させるガンホー株の狂乱がいつまでも続くという保証はない。

 次に来るのはガンホー株の大暴落だろう。
(文=編集部)