女の浮気性が育むダイエットビジネス カギは“褒め合い”、体重・家賃連動シェアハウスも
大田原ツーリズムは、栃木県大田原市でグリーンツーリズム事業を行う、民間企業。今年5~6月の毎週末、廃校になった小学校を利用し、「プチ断食道場」を開催した。
毎回、定員より10人以上多い応募があり、県内外から女性たちが集結したと、同広報担当の山下典江さん。
参加女性の多くが“ひとり参加”。ツアーのプログラムには、座禅体験やサイクリング教室なども盛り込まれ、多少ハードな側面もあったそうだが、「女性どうし、すぐに打ち解け『一緒に頑張ろう』と励まし合いながら盛り上がっていた」と、ツアーに同行した山下さんは言う。
●スマホアプリでも、カギは「励まし系」
住まいや旅だけではない。
最近はダイエット向けのサイトやスマートフォン専用アプリでも、「励まし系」がキーワード。
人気サイト「どうぶつダイエット」(運営:キャリアネットオークション)も、動物キャラクターや会員どうしが励まし合いながら、共にダイエットに取り組むのが特徴。会員数は、すでに約19万人(13年6月末現在)に上る。
なぜ女性は、仲間や動物キャラにまで励ましてほしいのか? もちろん、意志が弱く、ひとりだと長続きしないせいもあるが、それだけではない。元来女子は、男子以上に、ふだんから「励まし」を重視する生き物なのだ。
例えば、20~34歳男女に「やる気が出たときはどんなときか?」を訊ねた、ある調査(10年 JTBモチベーションズ調べ)。
これによると、男子に比べて女子が10ポイント以上多かった回答は、
・「上司や仲間から褒められたとき」(67.2%)
・「同僚や仲間とチームワークを感じたとき」(48.3%)
と、いずれも「褒め合い(励まし)」やチームワークを感じたとき。そう、ダイエットのみなならず、職場などふだんのシーンでも、やっぱり女子は「褒めてあげる」ことが大事なのだ。
男子の皆さま、ここで「オンナは面倒くせぇな~」と、突き放すなかれ。
ちょっと励ましたり褒めてあげるぐらいで、女子は心地よく働いたり、痩せてキレイになってくれる。
多少語弊はあるが、男子が思うより“安上がり”なのだ。どうか明日から、いえ今日から、周りの女子たちに「痩せたんじゃない?」「頑張ってるね」と、温かい声をかけていただければ、と思う。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役)