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これらは特別職国家公務員としての「業務」でもある。平日の外出もままならない防大生にとっては、卒業と同時に任官辞退、民間企業への就職は、世間の人が想像する以上に厳しい現実がある。
防大を卒業した年の4月から民間企業への就職が決まっていれば、これは任官辞退する理由になる。しかし学業、訓練、部活動と忙しいスケジュールでは、就職活動もままならない。そうすると卒業後、自衛官への任命を経て退職。大卒1年目として新卒枠での民間企業就職を目指す。
現在、20代後半の民間企業大手に勤務する防大OBはいう。
「任官辞退できる人は、在学中、かなり上手に立ち回った人。多くの学生は、民間企業への就職を考えても日々の諸々に追われて、とてもそれどころではない。それでも外へ出たいなら、卒業して自衛官任命後に、すぐに退職する。1年間の就職浪人に近い生活で、一般の大学生が持つ視野を開きつつ就職活動すれば、どこか縁のある企業があるかもしれない。防大卒業後、外に出る人の多くは、そうした意識です」
こうした動きを企業側はどう見ているのだろうか。前出の人事担当者らの声を総合すると、概ね以下のようになる。
「任官辞退して、即就職したいという熱意は、企業側としてもしっかり受け止めたい。しかし、任官辞退により、防大と揉めてうちに来られるよりは、できれば円満に来ていただきたい。そうした揉め事を避けるため、自衛官に任命後に、即退職された方なら、新卒者として扱うのは当然。翌年まで待たずとも、採用が決まり、落ち着いた時点での入社も考えてもいい」
好況期を迎えた今、防大卒業生に民間企業側が熱い期待を寄せていることは間違いないようだ。
(文=秋山謙一郎/ジャーナリスト)
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