ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 無料法律相談、上手な活用術  > 2ページ目
NEW

多様な無料法律相談、上手な活用術と失敗しない方法〜コスパ優先のトンデモ弁護士も…

【この記事のキーワード】,

 デフレの影響か、それとも相談料がオープンプライスになったためか、近年「30分以内相談無料」「初回1時間以内相談無料」といったサービスを提供する法律事務所が増えてきた。もちろん制限時間を超えると15分3000円、30分5000円など、その事務所が定めるタイムフィーに従って有料になる。とはいえ、プロの弁護士に無料で相談できるのは一般市民にとってありがたい限りだ。

 そこで、無料法律相談に行った人に話を聞いてみた。

「すごく感じが良かったですよ。はっきり言って自治体の法律相談や法テラスであった弁護士とは真面目さが完全に違いました。近隣トラブルで大したお金にもならないような相談だったんですが、ものすごく丁寧に資料を見てアドバイスをくれました」(50代男性)

「弁護士って、いばっていて冷たいイメージでした。でも、とても丁寧で、礼儀正しかったし、説明もすごくわかりやすかったです。私が帰る時はエレベーターまで送ってくれて、きっちり90度のお辞儀をしながら見送ってくれました。まるで美容院のスタイリストみたい。弁護士さんはパリッとしたイケメンだったし(笑)」(20代女性)

 法律事務所での無料相談から、そのまま依頼につながる可能性は高い。また、相談者が依頼人にならないにしても、クチコミの効果は期待できるはず。事務所の名前も出すからには小さな相談にも丁寧に応じてくれるということだろう。逆に言えば“接客”に自信があるからこそ、「初回相談無料」といった戦略を打ち出せるとも考えられるのだ。

●トンデモ法律事務所も

 しかし一方で、こんなケースもある。

 婚約破棄をされたDさん(男性30代)は「初回相談無料」の法律事務所に相談を申し込んだ。電話をかけたところ、受付とおぼしき女性が相談内容について、詳細に質問を重ねてきた。「簡単な聞き取りをして効率よく相談を進めるため」との理由である。

 聞き取りの後「後ほど、予約時間等につきまして担当弁護士から連絡をいたします」と言われて電話を切ったものの、待てど暮らせどコールバックはない。HPから「どのようになっていますか?」メールを出しても返信はない。「お電話まだですか」と連絡しても「担当者が留守ですのでもう少々お待ちください」と言うばかり。

 Dさんの請求希望額は慰謝料と式場キャンセル代で数十万円程度。「まさか大したカネにならないからスルーされた?」と思ったDさんは、ちょっとした実験を試みた。

 同じ法律事務所に別名で電話をし「離婚訴訟を考えている。港区の本宅と、葉山と軽井沢の別荘の財産分与でもめている」と話したのだ。もちろん前回の相談は固定電話から、今回の電話は携帯電話から、と電話番号も変えている。

 効果はてきめん。電話が終わった十数分後「担当弁護士」から相談予約について丁寧なコールバックがあったのだ。

「弁護士も商売ですから『コスパの良くない仕事はパス』なんでしょうけど。まあ、普通に倫理観を疑いますよね」とDさんは苦笑する。無料法律相談をする法律事務所もピンキリのようである。

●必ず複数の弁護士に相談を

 いずれにしても言えるのは、法律について相談する時は必ず複数の弁護士に相談するべき、という点である。

 テレビの某法律相談番組で、弁護士によって意見が大きく分かれるのを目にした機会は誰にでもあるだろう。実社会でもあれと同じなのだ。ある弁護士が「そんなお金取れないですよ」と言っても、別の弁護士が「確実に取れるお金です」と言い、また別の弁護士が「別の方法で交渉すればもっと有利かもしれない」と違ったことを言うケースは決して珍しくない。

 医療現場ではセカンドオピニオンの重要性がいわれて久しいが、弁護士の場合、セカンドオピニオンどころか、無料法律相談のサード、フォース、フィフスのオピニオンが身を助ける結果を生むこともおおいにあり得るのだ。
(文=ライター/高橋怜)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

多様な無料法律相談、上手な活用術と失敗しない方法〜コスパ優先のトンデモ弁護士も…のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!