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丑の日うなぎ高騰で過熱するポストうなぎ戦争〜代替商品でヒット続出?鶏、パン、ナス…

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セブン-イレブンの菓子パン「う~なぎチョコパン」
 ここ数年、うなぎの稚魚であるシラスウナギの不漁によって、うなぎの価格が高騰している。


 2012年は1kg当たり214万円で取引されていたシラスウナギ。今年は260〜270万円で取引されており、26万円だった06年と比較すると、およそ10倍の価格差に。これによって、うなぎそのものの販売価格も上昇し、専門店は、仕入れ価格を値段に転嫁することもできず四苦八苦というありさまだ。この価格上昇に耐え切れず、廃業を決意する店舗も相次いでいる。

 「土用の丑の日」といえば、「丑の日に『う』のつくものを食べると夏負けしない」という風習から、特に精のつくうなぎを頬張って暑気払いをする日であったはず。8月3日には、「二の丑」といわれる今年2回目の土用の丑の日を迎えるが、スーパーに足を運べば、以前の2倍以上の価格をつけているうなぎを前に、あきらめ顔の主婦たちも多い。この高騰によって、庶民のささやかな楽しみも断念せざるを得ない状況だ。

 だが、うなぎにとって最大のピンチとなるこの状況を利用して、現在、さまざまなメーカーが頭をひねっているのが、うなぎの代替食品だ。

●うなぎに代わる商品が続々と…

 スーパーの店頭には、うなぎの代わりとしてアナゴやさんまといった他の魚の蒲焼きが並び、セブン-イレブンでは「うなぎ蒲焼重」だけでなく「炭火焼牛タン重」「牛肉ぶっかけおろしうどん」などの弁当を用意したほか、一見するとうなぎには見えないビジュアルの菓子パン「う~なぎチョコパン」も取り揃えた。丸大食品では、うなぎに代わる新たな蒲焼商品として「鶏肉の蒲焼き」を販売するなどし、虎視眈々と、ドジョウならぬ「二匹目のうなぎ」を狙っているようだ。

 だが、そこまでして、土用の丑の日にうなぎ(のようなもの)を食べたいのだろうか? その売れ行きのほどを各社に聞いた。

 昨年より、「豚バラ蒲焼」を販売している伊藤ハムでは「昨年比の1.5倍の売れ行きです」とホクホク顔。昨年、同商品を発売したところ、商品が欠品してしまうまでに予想外の好調を記録。今年はさらに改良を加え、うなぎの特徴である食感の柔らかさをアップ。これが消費者の好感を得て、爆発的なヒットにつながったようだ。

 また、にわかには信じがたいうなぎ代替食品を提供するのが、群馬県太田市にある「かわとみ」。同社では、なんと、うな重そっくりにつくられた「ナスの蒲焼重」を提供しており、その人気は爆発中だ。

 身の締まった新鮮な長ナスを厚切りにし、うなぎそっくりの蒲焼きにしてしまったアイデア料理。こんがりとした焼き目や、香ばしい香りはうな重そのものだ。「蒸してから焼き上げるので、アクがなく、うなぎ以上に柔らかくトロトロとした食感です」(同社)と、その味わいにも自信を見せる。

 テレビなどで紹介されたことで、週末になると全国各地からナスの蒲焼き目当ての来店客がひっきりなし。「以前は日曜が定休日でしたが、店を開けざるを得ない状態になってしまった」とうれしい悲鳴をあげる。さらに、この成功に味をしめたのか、ナスの上に金箔をまぶした本物のうなぎ以上に豪華な「極上ナスの蒲焼重」なるメニューまで開発してしまったという。

 今年、ニホンウナギが環境省のレッドリストに登録され、アマミノクロウサギやライチョウなどと同程度に絶滅が危惧されている。また、国際自然保護連合でも調査を開始し、今秋にもニホンウナギの絶滅の恐れについて専門家らの評価が下される予定だ。

 うなぎは、完全養殖がまだ実現化していないため、シラスウナギから成育させるか輸入するしかないのだが、近年、シラスウナギは不漁続き。原因として考えられるのが、乱獲による生息数の減少。来年以降も不漁が続く可能性は高い。また、輸入うなぎの大半を占める中国産も、現在は規制がかかってきている。うなぎの価格高騰はまだまだ続きそうだ。

 代替食品は年々進化を続けており、もはや「本物のうなぎ以上」と評される味わいを実現するものも少なくない。うなぎを絶滅から守るためにも、代替食品の活躍が欠かせないのだ。
(文=萩原雄太)