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なでしこ寿司、“非常識”女性職人のみの本格寿司店・人気の秘訣…逆境をどう克服?

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千津井 「世界中の人に、旬のおいしいお寿司とおもてなしのサービスを提供すること」、これが私たちのミッションです。会話したいというだけであれば、やはり秋葉原ではみんなメイド喫茶に行きます。お寿司を食べたいだけであれば、チェーン店の回転寿司屋さんも含めてたくさんあります。私どものお店に来てくれる人が求めているものは、目の前の女性スタッフがつくったおいしい料理を通して、楽しい会話ができるということだと思います。ですので、お寿司の格好をしていればそれでいいというわけではありません。お客様はコミュニケーションも楽しめるし、旬のものを味わいたいと思って来ていただいていると考えています。

●お客様とのコミュニケーションが大切

--ところで、千津井さんはなでしこ寿司の開店当初からの社員ですが、入店されたきっかけはなんでしょうか?

千津井 美大を卒業してから百貨店に就職したのですが、だんだん仕事がわかってくると、将来自分がたどる道はすでにある程度決まっていて、その決まった道をただ歩いていくだけなのではというように思い始め、このままでいいのかと悩んでいました。そんな時期に転職サイトでなでしこ寿司がオープニングスタッフを募集していることを知ったのです。もともと魚は好きですし、デパ地下の寿司店でアルバイトをしていた時に「女性だから」という理由で絶対握らせてもらえなかった寿司を握れるならと応募しました。

--お寿司の握り方は、どうやって覚えたのですか?

千津井 ベテランの寿司職人に教わりました。その方は男性でした。握ること自体は、たとえばダンスの振りを覚えるのと同じで、毎日繰り返せばそれほど難しいことではありません。それ以上に、カウンターを挟んでお客様とどういう会話をすればいいのか、その内容だけでなく、間合いなどまで含めて覚えるのは大変でした。お客様に楽しく食事をしていただくためには、やはりコミュニケーションが大事です。それから、些細なことですが、お客様がお寿司を口の中で味わっている時には話しかけないとか、左利きの人にはお寿司を左向きに出すとか、そういう気遣いも、とても大切なことです。なでしこ寿司では、そういう寿司職人として最低限備えていなければいけない技術について研修を受け、社内テストに合格しないとカウンターには立てません。

 しかも、お寿司屋さんの仕事は営業時間中だけではなく、朝早くに市場に仕入れに行き、買ってきた魚をさばいて仕込むことや、酢飯(シャリ)をつくることなど、たくさんあります。しかもずっと立ちっぱなしです。そういう一連の仕事を覚え、その上でお客様と会話しながら寿司を握る、このような技術をすべて覚えるには最低でも10年はかかるともいわれており、私もまだまだ勉強中です。

--魚市場には、毎日仕入れに行くのですか?

千津井 基本的に毎日行きます。今は仕入れ担当が分担してやっていますので私は行きませんが、私が担当していた時には、髪の毛に飾りをつけてピンクの服を着て行ったりすると、何かチャラチャラした感じで見られて、「邪魔だよ」とかよく怒鳴られました。女性の仕入れは珍しかったからでしょうね。でも、慣れてくれば、まったく問題ないですよ。

--寿司職人になる前となった後で、以前抱いていた寿司職人という仕事のイメージとギャップのようなものを感じましたか?

千津井 会社勤めをしていた時には、すでに決められたやり方や仕組みに従って物事を進めればいいわけですが、お寿司屋さんには「ここでは、こうやればいい」という決まったやり方や仕組みがないことですね。だから、お客様お一人お一人が楽しく食事できるように、臨機応変に対応しなければなりません。教わったことの応用が利かなければダメですね。

●男性寿司職人が、客として冷やかしに来たことも…

--今までの仕事の経験の中で、印象に残っていることは何ですか?

千津井 「女が握った寿司は食べない」という考え方を持った同業の寿司職人が、冷やかしに来ることがあります。そういう方は、腕を組んで私たちの様子を見ているわけですよ。そして、握りは食べず、頼むのはつまみだけ。そのような方が何回か“視察”に来られた後で、「マグロを握ってください」と注文してくれた時には涙が出そうになりました。

--悔いが残るような大きな失敗はありますか?

千津井 マネジャーという立場ではあったものの、まだ経験が浅かった時期に、大きな失敗を犯してしまいました。ある方に接待で使っていただいた時に、お客様を下座に通してしまいました。まだ接待の決まり事などについては何も知りませんでしたし、それにカウンターの上座・下座さえも知りませんでした。さらに、そのお客様が薬を飲む時に、常温のお水を出すべきところを、氷水を出してしまいました。その時には、お客様にめちゃくちゃ怒られ、部下たちも見ている前で土下座してお詫びしました。今でも悔しいです。

--寿司職人にとって最も必要なスキル、ノウハウは何ですか?

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