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ももクロとは笑いであり、戦いである――美学者が指摘するその多面的構造

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【リアルサウンドより】

『ももクロの美学~〈わけのわからなさ〉の秘密~』(廣済堂新書)を上梓した東京大学大学院准教授で美学研究者の安西信一氏に、美学的な視点から見たももいろクローバーZの魅力を聞く集中連載第3回目。

――今までのお話を聞いて、ワーグナーの総合芸術が想起されました。

 前山田さんも「アイドルは総合芸術だ」と言っていますし、想起させる要素は十分に揃っていると思います。ただ、ワーグナーが作りたかったものは、音楽だけではなく、全ての要素を含み込んでひとつに統一された総合的な芸術です。ももクロの場合は、必ずしもそうではありません。開かれた構造にし、異質なものをぶつけているところがおもしろい。つまり、ワーグナーのように、有機的に均一に統合されたものではないのです。一言で言えば、「コントロールされたものではない」。観客の盛り上がりはワーグナーを想起させるかもしれませんが、内実のあり方はぜんぜん違っている。また、笑いやパロディ、反省性、引用の要素も強いので、ワーグナー的な閉じた芸術とは異なると思います。

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