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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(9月第2週)

自動走行車、訪問歯科診療、冷凍ラーメン……成長ビジネスから透けて見える、儲けるヒント

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「Thinkstock」より
 「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/9月14日号)は「新成長ビジネス100」という特集を組んでいる。「これからの成長が期待できる8つの市場で、新たな製品・サービスを生み出している伸び盛り100社をピックアップ。これまでにない儲け方のヒントを探る」という内容だ。

成長企業を8つの市場(8大テーマ)に分け紹介している。「ものづくりの底力」「いつまでも健康」「日本発グローバル」「子育てママの強い味方」「脱常識の農業&水産業」「高くても売れる趣味系」「観光&地方の活性化」「新しい働き方」の8大テーマだ。

 中でも、政府が「成長戦略」として掲げ、規制緩和や予算配分など、さまざまな支援方針を明言している4つの市場<健康関連、エネルギー関連、次世代インフラ(道路や橋などの老朽化対策や宇宙衛星など)関連、地域資源(農林水産業や観光など)関連>は、ビジネス機会が期待できる。

 例えば「次世代インフラは、現在の国内市場2兆円を2030年に33兆円と、16.5倍に拡大させる。国内の重要インフラのすべてにセンサーやロボットを活用した点検システムを構築する」としているからだ。

 「新成長ビジネス100」の中から、いくつか興味深い取り組みを紹介しよう。

 成長テーマ「ものづくりの底力」では、自動走行車だ。8月、日産自動車は、20年までに自動運転技術を搭載した複数車種を実用化すると発表したが、すでにこうした自動走行車を、研究開発用ながらも販売している企業がゼットエムピー社(ZMP 東京都文京区)だ。

 レーダーやカメラ、全地球測位システム(GPS)情報などを駆使し、ハンドル、アクセル、ブレーキをすべて自動制御して走行する「RoboCar(ロボカー)」は09年から販売を始め、累計340台以上を売り上げている。

「主な顧客は自動車メーカー、部品メーカー、大学などの研究所。自動運転を可能にするためのセンサー、足回り部品、電池などの開発実験に利用されている」とZMPの谷口恒社長は語る。

 ZMPが今後目指すのは、「自動車をインターネットにつなぐこと」(谷口社長)だ。「世界には10億台超の自動車が走っている。それらがインターネット端末になれば、膨大なデータを集められる。自動車での移動や消費にはどのような傾向があるか、どんなときに事故が起きやすいかなどが分析できる」と可能性は広がっていく。

 成長テーマ「いつまでも健康」では、訪問歯科診療支援から医療の産業化を図るデンタルサポート(千葉市美浜区)。歯科医過剰時代にもかかわらず、訪問歯科診療のサポートで業容を拡大している。新たに介護サービス事業にも参入し、口腔ケアを取り入れたリハビリセンターも開設するほどだ(11年)。「今後2年で50カ所への拡大を目指している」という。

●時間も材料も無駄を省いて利益アップ

 成長テーマ「高くても売れる趣味系」では、人気店のラーメンを全国から冷凍で宅配できるシステムを構築したグルメイノベーション社が面白い。

「最大の特徴は、店舗でつくっているスープや具材、ゆでる前の麺を、そのままマイナス15~18度で冷凍パッケージする点。似たような味を工場で再現するのではないため、店舗とほぼ同じ味を自宅にいながら味わえる」

 業者も、店の空いた時間に作業ができ、余ったスープが商品化できるためにロスが低下し、現在は約100店のラーメンをEC(電子商取引)サイト「宅麺.com」で取り扱っているという。

 このように今回の特集では、多くの儲け方のヒントが紹介されている。

 しかし、こうした特集は同誌6月15日号「起業100のアイデア この国には起業家がもっと必要だ!!」で行ったばかりではないか。

 記事の中で「今回の経済拡大で投資余力が生まれているうちに、次の成長の種をまいておかなければ、今後必ず訪れる景気後退局面で、ジリ貧になりかねない。そのときのダメージをヘッジできるような投資先を、企業は目の色を変えて探している。成長分野を探すにはどうしたらよいか」と書かれているが、やはり、企業もビジネスヒントが不足しているのかもしれない。

 気になるのは、上記「6月15日号」の回と同様に「100」といいながら、具体的に紹介されているのは「31」にすぎない。あとの企業は、数行程度の解説を一覧表で紹介しているだけだ。わざわざ「100」と謳わずに「30」でいいんじゃないかと思ってしまう。
(文=松井克明/CFP)