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夏のイベントに、各携帯キャリアの移動基地局“出動”増の背景〜ユーザー側の注意点も

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「Thinkstock」より
 花火大会や音楽フェスティバルなど、夏場は大規模なイベントが多かった。そうした場で、どうも携帯電話がつながりづらい、という経験をしたことはないだろうか。

 以前から局所的に人が集まると、通話やメールのやりとりが集中するせいで、基地局の許容量を超えてしまうというケースはあった。通話はつながらなくなり、メールが送信できない、送信できたと思っても先方で受信されていない、というような状態になる。これを改善するために投入されるのが、各携帯キャリアが保有する「移動基地局」だ。

 アンテナを搭載したトラックがイベント会場に出張し、そこに臨時の基地局を追加することで、飽和状態を改善する。スマートフォンユーザーが増えた最近は、相手のあるメールや通話だけでなくTwitter等を利用した一方的な発信や、地図の利用など、今まで以上に回線が利用されるようになることもあり、最近は移動基地局の出動回数も増えているようだ。

●もともとは災害対策ツール

 移動基地局は、そもそも基地局のない場所、作れない場所に一時的に基地局機能を提供するものだ。災害時などにも活躍し、東日本大震災時にも各キャリアが長期間運用していた。

 以前はNTTドコモだけが保有していたようだが、順次各キャリアが整備。現在は3G用だけでなくLTE基地局も揃っている。これだけの設備を災害がない時には遊ばせておくというのももったいないということなのか、最近は大規模イベントでの出動が目立つようになってきた。例えば、今年ソフトバンクは1カ月ごとに出動予定を発表しているが、8月は特に各地の花火大会などに積極的に投入されたようだ

 以前は国民的な大規模イベントの際に出動していたが、民間イベントで早々に出動があったのはコミックマーケットだ。1日に15〜20万人が集まるだけに需要は高く、今年も3キャリアがそれぞれ出動。KDDIはアニメの絵柄を使ったラッピングカー仕様にするなど、遊び心のある取り組みも行っていた

●普段は寂しい場所で開催される大イベントに対応

 なぜイベントに移動基地局が出動することになるのかといえば、それは普段人のいない場所に大人数が集まるからだ。コミックマーケットの開催される東京ビッグサイトは、全施設を使う大規模イベントは少ない。IT系のイベントだと大規模なものでも3日通して4万人程度の来場者数のようだ。そういう場所に、普段から10〜20万人の利用に耐えられる設備を用意するというのは難しいだろう。

 花火大会なども、河川敷や湖畔など、普段は人がいない場所で開催される。また、地方都市の大きな観光イベントであることも多く、通常時の人口を大きく上回る人数が集まることもある。例えば諏訪湖祭湖上花火大会を開催する諏訪市の人口は5万人強だが、毎年約50万人が花火大会には押し寄せる。当然、通常の通信設備だけではパンクしてしまうだろう。

 常時大容量通信に対応する必要はないが、1日だけなんとかしなければならない。そんな時に投入されるのが移動基地局なのだ。

●ムダな利用は控える&着信確認のできるものが吉

 移動基地局が来れば万事解決なのかというと、なかなかそうもいかない。タイミングによっては、つながりづらいことも多いようだ。そこで、一般ユーザー側としては2つのことに気をつけたい。

 1つは、ムダに基地局を圧迫しないことだ。ツイートするにしても実況的にリアルタイムにすべてをつぶやくのではなく、開催中は目の前のものを楽しむことに集中して、終了後に感想を付け加えてつぶやくようにするなど少し考えてみてほしい。過剰な我慢をする必要はないが、普段より心持ち抑えめの利用がベターだ。

 もう1つは、連絡手段の選択だ。Twitter等だと、一度つながりづらい経験をしたせいで、その後チェックしなくなってしまうという人もいる。メールは送信できても受信できない、だいぶ時間がたってからしか受信できなかった、ということが多々ある。連絡手段としては確実につながっていることがわかる通話や、開封確認のできるLINEなどのほうが向いている。

 もちろん、はぐれた場合の待ち合わせ方法も決めておきたい。移動基地局が来ていても、何かトラブルがあって参加者の多くが一斉に連絡を取り始めると、つながらなくなる可能性は十分ある。30分探したらあきらめて個々に帰る、この時間になったら指定場所に集まるなど、携帯電話を過信せずに準備をしておこう。
(文=エースラッシュ)