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ネット生保トップ・ライフネット生命、急成長のカラクリ〜業界の常識を崩す、商品&販売戦略

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「ライフネット生命保険 HP」より
 インターネット生命保険(ネット生保)の草分け的存在で同業界シェアトップ、ライフネット生命保険(ライフネット)の好業績が止まらない。

 同社が8月9日に発表した2013年度第1四半期(13年4-6月)決算は、保有契約件数が前期比36.2%増18万591件、保有契約高が同27.7%増の1兆5520億円、保険料収入が同37.0%増の17億8200万円、年換算保険料収入が同33.2%増の72億7100万円となり、いずれも大幅増となった。

 営業開始半年後の08年11月末、保有契約件数約2000件、保有契約高約300億円だったことを思うと、5年弱で保有契約件数は約90倍増、保有契約高は約52倍増もの急成長を遂げたことになる。

 着実な成長が明らかになるにつれ、ほぼ一直線といえる右肩上がりの成長はいつまで続くのか、生保業界の注目を集めている。

●従来型GNP商法の限界

 まず、「オンリーワン」といわれる同社のビジネスモデルの特徴に触れておきたい。

 同社は営業を開始した08年に出口治明会長が60歳を迎えていたことから、「還暦ベンチャー」とも呼ばれている。

 その出口会長は今年6月、都内で開催された保険関連セミナーで「20代、30代の若者世代が支払う生命保険料を半分にしたい。若者世代にとって今の保険料は高すぎる。営業員と営業所を持たないネット専業の当社だから、保険料を半額にできる」と訴えていた。

 従来、生保は「義理、人情、プレゼントのGNPで売る」が業界の常識。契約内容が複雑でわかりにくく、しかも保険料が業界横並びの高額商品。これを売るには、生保レディと呼ばれる女性営業員が職場や自宅を訪問し、GNPで粘り強く説得しなければならないからだ。

 この常識崩しに挑んだのが、皮肉なことに業界最大手の日本生命の元社員であり、58歳の時に同社を退職した出口会長だった。そして、生保販売の仕組みも慣習も知悉した出口会長がネット生保の武器にしたのが、業界の常識を破る「保険料半額」だった。

●露呈した大手生保の不合理さ

 例えば、30歳男性の死亡保険(死亡保険金額3000万円、保険期間10年、特約なし)の月額保険料を比較すると、ライフネットの場合は3484円、国内大手生保は7000円前後の横並びで、ほぼ倍の開きがある。

 この開きは事業運営経費の違いにある。営業員と営業所を持たないネット専業のライフネットは、上記ケースの商品の自社月額保険料の内訳について、純保険料(保険金・給付金の原資に充てる保険料)は77%の2669円、付加保険料(人件費、営業経費、広告宣伝費などの生保事業運営経費)は23%の815円と情報開示している。

 一方、競合他社である大手生保はその内訳を「企業秘密」として開示していないので詳細は不明だが、純保険料は大手もライフネットも基本的に同水準と推察されるので、大手生保の付加保険料は月額保険料の62%も占める約4300円の計算になる。

 これを見れば、大手生保が提供する商品の契約者は、いかに高い保険料を払わされているかがうかがえる。

 新規契約1件当たり営業経費も、ライフネットと大手生保の間には段違いの差がある。ライフネットの3万1000円に対し、大手生保は17万6000円(大手4社の単純平均)も掛けており、その差は5.7倍もある。

 例えば日本生命の場合、約4万7000名(10年度末)の営業社員の一人当たり平均月給は28万6000円(賞与と残業代除く)。同年度の営業経費は人件費を含め約3090億円となっている。これに対して、同年度のライフネットのそれは約20億円でしかない。

 ライフネットの情報開示により、大手生保の「GNP商法の不合理さ」が露呈した格好となった。

●知名度と好感度を上げた3正面統合作戦

 ライフネットが急成長を遂げたもう1つの要因として、出口会長と岩瀬大輔社長の「2トップ露出戦略」ともいえるマーケティング活動が挙げられる。出口会長が言うところの「空中戦、地上戦、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)戦」を連携させた「3正面統合作戦」だ。

 空中戦とは2トップの著書出版などで、2人ともすでに計10点以上の単行本を上梓している。地上戦とはミニセミナー出演。聴衆が10人以上集まるセミナーなら、依頼されればどこへでも気軽に講師として出演する。今でも2人で年間200回以上のセミナーに出演しているという。

 そして、2人とも地上戦についてSNSでつぶやきを発信する。「会長と社長が揃ってツイッターでつぶやいている会社は珍しいだろう」と出口会長は苦笑するが、ツイッターにはそれぞれ1万名以上のフォロワーがついている。