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愛人紹介“ビジネス”の裏側~愛人をつくれる男に学ぶ、素養・分析力・危機管理力

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–いわゆるアフターケアですね。

清宮 そうです。顧客と仲のこじれた女性を追い出すのを手伝ったり、愛人から「シワが多い」と言われた顧客を美容外科に連れて行ったりもしました。でも一番大変なのは、女の子のコントロール。だから「学費がない」とか「彼氏はいるけど、OLで一人暮らしなので洋服を買うお小遣いがほしい」という子を探すんです。そういった子の目的はお金だけなので、こっちとしてもコントロールしやすいんですね。当時私は高級品ばかりを身に着けて「全身で1000万円です」って感じで歩いていたので、お金目当ての子が近寄ってきていました。

–愛人ビジネスは、実際儲かりましたか?

清宮 入会金の制度を設けてからも、「入会金を払えばいいんでしょ」とポンと現金でくれるので儲かりましたね。大学卒業後は、ベンチャー企業の立ち上げや債権回収の仕事もやっていたのですが、その頃は月に多い時で300万円くらい稼いでいました。年収ベースでは1500万円くらいですね。ピークだった03年頃は、年収3000万円以上になりました。

–それだけ稼いでいて、身を持ち崩しそうになったことはなかったんですか?

清宮 お客様がビジネスマンばかりだったので、バカみたいにお金を使いながらもビジネスを知ろうとしていました。でもまあ、結局はあぶく銭ですよね。当時は「20代は経験が財産だ」とか思って、毎月ハワイに行ったりしていましたから。愛人ビジネスの顧客に「いまハワイにいるんだけど来ない?」と誘われて「わかった、行くよ」みたいな感じで行っちゃったり。

●引退と出版に至る経緯

–そんな楽しい生活から足を洗って、本を出すに至った理由はなんだったのでしょうか?

清宮 04年に、自分が仕事のノウハウを得ていた投資会社の社長が、株価操作事件で逮捕されたんです。それで私まで国税庁に目をつけられて、ある日の午前8時に自宅の電話が鳴って「お話を伺いたいので、任意で国税庁まで来てください」と言われて、1日8時間半、2日間缶詰めにされて、貯金通帳や3年分の手帳から全部押収されて。紹介料は現金でもらってATMで入金していたので「この300万円は何?」とか逐一聞かれたわけです。私は確定申告していたので、全部答えられました。本来はしゃべっちゃいけないんですけど……。影響はほかの顧客にもあって、連絡がつかなくなってしまったんです。それで半年くらい仕事ができなくなってしまって、西麻布に家賃20万のマンションを借りたまま貯金で暮らしていました。

–生活には困らなかったんですか?

清宮 貯金が1000万円くらいあったので、1年くらいそれで暮らしながら将来のことを考えていました。そこで携帯電話の専用サイトに向けたサービスを提供するベンチャー企業を立ち上げたんですが、軌道に乗った矢先に、取引先の社長から支払い先として名義を勝手に使われていたことが発覚したんです。このときも税務調査が入って、嫌になってしまって、この仕事から一度足を洗いました。

–本を出そうと思ったきっかけは何だったんですか?

清宮 その後、某メガバンクに転職したのですが、そのことを大学時代の恩師に報告したら、話を聞きたいからと飲み会に呼ばれて、「あの銀行が君を採用したのは特異なことだ。君みたいな人間を銀行はよく観察しているだろうから、君も銀行の中をよく見て、そのうち本を書いたほうがいい」と言われたんですよ。そこから愛人ビジネスについて本を書こうかなと意識し始めました。

●愛人をつくれる男とは?

–世の中には、成功者でなくても愛人が欲しいと思っている男性諸氏は多いと思いますが、清宮さんが思う、愛人をつくれるタイプとつくれないタイプの違いはありますか?

清宮 つくれない人は、はっきりしています。日本人体質、サラリーマン体質の男性ですね。会社の看板にぶら下がっているというか、名刺に書かれている肩書が人生のすべてで、ほかにアピールポイントがない人。あとは自分では何も処理できない人。例えば、離婚をする際に調停で長引いたり、引き際が悪い人、クレーム処理が下手な人は、向いていないと思います。

–顧客の社長さんたちは千差万別だったと思うのですが、ポイントになるのはやっぱりお金ですか?

清宮 私はお金があっても芸能系のような、ゆるい商売の人は相手にしませんでした。将来は成功して女社長になりたいと思っていたので、お金のあるビジネスマン、医者や弁護士のような「先生」と呼ばれる人たち、実業家など、自分の将来につながる人のみを相手にしていました。愛人の女の子たちも、学費を稼ぎたいとか、将来の目標を持っている子が多かったですね。

–愛人をつくるのに向いている男性は、どんなタイプなのでしょうか?

清宮 基本的には、お金とビジネスでの地位ですね。素養という点でいえば、頭の回転が速くて仕事ができる人は有望ですね。そういう人たちには共通して「分析力」と「危機管理力」があります。相手と適度な距離を保って遊んでますから、深刻なトラブルに発展しません。そういった意味では、忙しい人も向いています。家族の理解があるので「仕事」「出張」と言えば、家にいなくても大丈夫ですから。

 実際、テレビ業界の人や外科医って、週に1回しか家に帰らない人も多いんですよ。それも着替えを取りに帰るだけとかなんですけど、本当のところはわかりませんよね。つまり、時間は絶対つくれる。忙しい人は仕事ができるし、やりくりもうまくて、人に合わせることができるということになります。

BusinessJournal編集部

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