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横浜DeNAベイ、なぜ大幅動員数増?多彩なサービスで新ファン層獲得、総合エンタメ狙う

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 このような努力と工夫の結果として、ファン数が拡大。それに乗じて「グッズ・ライセンス収入」も増加した。今年(9月末時点)でのグッズ累計売上は、前年比135%増(一昨年対比227%増)を記録。もちろんファン数の拡大だけではなく、各試合においてアーティストやタレントとのコラボ商品などの開発、また地方興行ごとの限定商品やユニフォームの福袋、オークションを開催するなど、ファンを飽きさせないための工夫を続けている。

 また、スタジアム内の広告などによる収入である「スポンサー収入」も、前年比139%増となっている。DeNAベイスターズは、従来の「待ち」の営業姿勢から「攻め」の姿勢に転換し、積極的にスポンサー獲得に動いたという。今季、横長のリボンビジョンならではのビジュアルを使った広告を「JR東日本」のスポンサーにより実現。広告演出として、ヒットの時には成田エクスプレスや踊り子号を走らせ、奪三振時には新幹線を走らせるなどのユニークな演出で話題を呼んだ。

 なお、公式HPの品質向上にも尽力、PCやスマートフォンなどのコンテンツも拡充、オウンドメディアとしての品質を高め、ページビュー(閲覧ページ)数、ユニークユーザー数ともに昨年比125%という順調な伸びを見せた。

 村田氏は、今後の同球団経営について次のように見通しを語る。

「当球団はもとより、『野球ビジネス全体を総合エンタメ化』することによって野球人気を底上げしたいと考えています。結果としてチケット収入も増え、それに伴うグッズ収入や飲食収入も高まる可能性があります。テレビの地上波において、プロ野球が以前のようにメインコンテンツではなくなってきている中、観戦スタイルの多様化、球場の総合エンタメ化に、これからも邁進していきたいです」

●古い体質からの脱却

 以上これまで見てきた取り組みは、DeNAが運営に乗り出してからのものだが、DeNAベイスターズ内部では具体的にどのような変化があったのだろうか?

 里見氏は「今は社員が危機感を共有しており、球団の運営を『自分ごと』としてとらえられています」と話すが、そもそも同球団は100人足らずの会社で決して大規模とはいえないにもかかわらず、以前は社内のセクショナリズムが強く、部門間の風通しがよくない部分もあったが、11年末からDeNAに運営が譲渡され、新たな考え方が取り入れられることで、徐々に改革されていったという。

 里見氏はその変化の大きさについて、次のように証言する。

「これまでは、『企画は企画部、営業は営業部がやればよい』といった割り切った考え方が少なからずあったと思います。でも今は違います。部門横断で、みんなで盛り上げよう、という気持ちが強く出ており、たとえ経理の人間でも、営業の人間でも、広報の人間でも、全員が自分のこととして球団をとらえられています。実際に、昨年話題となった全額返金チケットは、企画でも広報でもなく、経理の社員が提案したことでした」

 まだまだDeNAベイスターズは変化の途中にある。これからも「良質な非常識」により、飽きさせないファンサービスやイベントを企画し、野球ファンでない人も球場に足を運びたくなるようなエンタテインメントを見せてくれることを期待したい。

“DeNA・中畑監督”新体制3年目を迎える来シーズン、Aクラス入りの準備は整っている。
(文=高橋大樹/デファクトコミュニケーションズ代表取締役社長)

BusinessJournal編集部

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