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『黒子のバスケ』、なぜ腐女子から人気?脅迫状の「801」名義もネット上で話題に

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『黒子のバスケ』公式サイトより
 世間をにぎわせている『黒子のバスケ』(集英社/藤巻忠俊)に対する脅迫状事件。犯人は、作者の出身大学である上智大学をはじめ、各種イベント会場やテレビ局、コンビニ、書店などに『黒子のバスケ』関連の商品を撤去しないと客に危害を加えるなどといった内容の脅迫状を送りつけている。脅迫状の送り主は「喪服の死神」や「怪人801面相」などと名乗っているという。

 この「怪人801面相」という名前、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)、『NEWS ZERO』(同)といったテレビの報道番組では、「かいじんはっぴゃくいちめんそう」と読み上げられていた。

 しかしネット上では、「はっぴゃくいちめんそうwwww」「はっぴゃくいちって読んでたけど、それ違う」など、その読み方が笑いのタネになっているのだ。なぜなら、オタク用語では「801」と書いて“やおい”と読むからだ。この“やおい”は、男性同士の恋愛(BL=ボーイズラブ)を描いた作品を指すもので、それを愛読する女性たちは「腐女子」「ヤオラー」と呼ばれている。しかし、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されているバスケ漫画と腐女子に、どんな関係があるのか? と思った向きもあるかもしれない。実は、この作品は腐女子たちから絶大な人気を得ている作品なのだ。

●スポーツ漫画が、なぜ腐女子に人気なのか?

 なぜ、この作品が腐女子に人気なのか? ひとつには、この作品が男同士の友情などを描くスポーツ漫画だからということが挙げられる。同じように漫画『テニスの王子様』(集英社/許斐剛)や『ハイキュー!!』(同/古舘春一)、ロールプレイングゲーム(RPG)『イナズマイレブン』(レベルファイブ)といった作品のファンにも、腐女子は多い。スポーツ漫画のように、ひとつの目標に向かって共に戦う作品では、キャラ同士の信頼関係を描く場面も多いし、ハイタッチや抱きつくといった身体的な接触もあるので、萌えるシーンがたくさんある。

 さらに、数あるスポーツ漫画の中でも、特に『黒子のバスケ』が腐女子から高い人気を得たのは、登場キャラクターたちがまるで2人1組のセットかのように描かれているからだ。この『黒子のバスケ』という物語は、主人公の黒子が、アメリカ帰りの火神と高校で出会い、中学時代に「キセキの世代」と呼ばれて恐れられた元チームメイトたちを倒して日本一を目指すというもの。

 まず、影の薄い黒子と、キセキの世代にも負けない輝きを放つ火神のセットが登場する。そして、キセキの世代のメンバーだった黄瀬、緑間、青峰、紫原、赤司にも、それぞれの高校で先輩や同級生といったパートナーになる存在がいるのだ。また、火神にバスケを始めるきっかけをくれた氷室が紫原と共にダブルエースとして活躍したり、黒子のことが大好きな黄瀬も、高校ではキャプテンの笠松とペアで描かれたりしているので、妄想の幅は無限に広がる。

●男性よりも女性の読者が多い?

 BLとは、関係性に萌えるものだといわれるが、この作品には、いろんなパターンの関係性がある。つまり、自分次第でいくらでも自由自在に組み合わせを考えることができるのだ。さらに、アニメのエンドカードで思わせぶりなツーショットを描くなど、作者側が腐女子受けを狙っているかのような演出もしている。

 このような要因から、腐女子人気を獲得しているこの作品。今では男性読者よりも女性読者のほうが多いともいわれ、『黒子のバスケ』を基にした同人誌は飛ぶように売れている。もはや、『黒子のバスケ』と腐女子の関係は、切っても切れないものになっている。

 脅迫状の送り主がいかなる意図で“801”という言葉を使っているのかわからないが、一日も早く事件が解決し、腐女子をはじめとする多くの黒バスファンたちがそれぞれの楽しみ方で心おきなく『黒子のバスケ』を楽しめる日が来ることを祈りたい。
(文=赤城洋子)