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消費増税でアマゾンやグーグルに有利、国内EC勢が不利?価格競争力で不公平さ拡大

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サイト「amazon.co.jp」

●中小企業は本当に価格転嫁できるのか?


 安倍晋三内閣は10月1日、ついに消費税引き上げを正式に発表した。来る2014年4月に、これまで5%だった消費税を8%に、さらに15年10月には10%に引き上げる方針で、消費者の財布への影響もさることながら、事業者への影響も甚大ではと取り沙汰されている。

 過去に増税が行われたのは、今から16年前の1997年。当時の経済状況を振り返ると、世界ではアジア通貨危機が発生し、国内では山一證券の破たんに象徴される金融システム不安が台頭、当時の橋本龍太郎内閣の政策にも大きな不安が漂っていた。

 そんな中で消費税が3%から5%に引き上げられ、中小企業は特に苦しめられた。日本商工会議所の調べでは、およそ半数の中小企業が増税分の価格転嫁を行えず、多くの中小企業が突然のコスト増加圧力に耐え切れず倒れていった。

 では、今の経済状況はどうなのだろう?

 つい昨年まではデフレ、デフレと騒がれていた国内経済だが、アベノミクスという金融政策により、表面的には復活の兆しを見せている。およそ1年前は9000円近辺だった日経平均も、今では1万4000円台にまで上昇しており、昨年の80円台という過剰な円高も解消されてすでに数カ月たち、もはや安定感すら漂っている。

 また、中小企業にとっては、政府からの価格転嫁への援助も大きい。通称「転嫁Gメン」と呼ばれる転嫁対策調査官という職務ができ、中小企業への一方的な増税圧力に監視の目を向けるという。総合的に加味すれば、16年前に比べて今の地合いは、確かにいいのかもしれない。

 しかし、中小企業の経営者を間近で見ている太田公認会計士・税理士事務所の太田悦雄代表によれば、「それなりに経営的な工夫を行わなければ、中小企業での価格転嫁はなかなか難しいだろう」とのことである。

 消費税引き上げの影響をじかに受ける飲食業や小売業などに関しては、価格の税抜表示の利用や、「3%」「5%」という増税分を匂わせるセール手法など、具体的な対策方法を提示しながらも、その他の業種では、構造的になかなか価格転嫁できない現状を語る。

●意外な落とし穴、EC業界

 

 また同氏は、「消費税の引き上げを前にあらためて注目されているのが、『電子商取引業界』だ」と語る。ネット上で動画や音楽、電子書籍や各種ソフトウェア、また、インターネット広告などを販売する電子商取引、通称eコマース業界だ。