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消費増税でアマゾンやグーグルに有利、国内EC勢が不利?価格競争力で不公平さ拡大

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 国内の電子商取引関連の有力銘柄としては、巨大ポータルサイト運営のヤフージャパン(4689)、ネットショッピングに注力するセブン&アイ・ホールディングス(3382)、ネット広告大手のサイバーエージェント(4751)。その他、専門特化したネット通販サイト運営としては、ラクーン(3031)、ミネルヴァ(3090)、スタートトゥデイ(3092)、ネットプラ(3328)などが挙げられる。

 基本的に上記のような国内のネット通販では、そのすべての商品に消費税がかかる。半面、最大手の米アマゾン・ドットコムのネット上での取引には、その商品自体に消費税がかからない仕組みとなっている。また、グーグルのインターネット広告も、配信拠点とサーバーを国外に置いているため、課税されない。法律的には、海外に本社を置き、海外のサーバーを経由して販売すれば、消費税はかからないのだ。いわば、法律上の抜け道といえよう。

 このように不平等な状況下、国内企業から強い不満の声が上がっているにもかかわらず、来年からさらに消費税が引き上げられると、国内企業はかなり厳しい。8%、10%のコストが商品価格に上乗せされるわけだから、日本で展開する海外企業とまともな勝負はできないだろう。

 先の太田氏は語る。

「こういった状況に対抗して、楽天はカナダの電子書籍販売会社を買収するなどして、課税されない方策を立てている。事実上の本社移転などを経営方針に入れ込んでいるIT企業も少なくない。しかし現実的には、海外に本社を移すためには、ある程度の規模があり、かつ外国本社が経営母体として適切に機能しているという判断を財務当局ができなければならない。当局が納得するようなビジネススキームをつくる必要がある」

 安易に母体を海外に移すというだけでは、税務当局との新たないたちごっこを繰り広げるだけだ。

 ちなみにこの状況は世界的なものであり、今年7月中旬、経済協力開発機構(OECD)が電子商取引への課税強化を発表している。EUの状況と同様に、消費者がいる国において課税する方向で進んでいるという。

 現在、国内の電子商取業者たちも、このような状況への打開策を政府に呼びかけていることなどから、議論は間違いなく日本においても活発化してくるだろう。その進捗如何で、電子商取引業界の流れや注目銘柄にも影響があると予想されるため、今後注目していきたい。
(文=高橋大樹/デファクトコミュニケーションズ代表取締役社長)

BusinessJournal編集部

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