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坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第22回

お騒がせな与沢翼の高額商材と新雑誌から透ける、ネオヒルズ族の好青年的上昇志向?

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与沢翼氏(「ネオヒルズ・ジャパン」<双葉社/第1号>より)
 さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?

『秒速で1億円稼ぐ条件』(フォレスト出版)などの著書を持ち、「年収12億円」「ネオヒルズ族の代表格」などのキャッチフレーズで知られる株式会社フリーエージェントスタイルホールディングス代表取締役・与沢翼さんが責任編集長を務める雑誌「ネオヒルズ・ジャパン」(双葉社/第1号)が今月発売された。与沢さん自身は22日、専属運転手を殴った疑いで書類送検されたけれど、まるで宣伝であったかのようなタイミングだった。雑誌には、「稼ぐか、死ぬか!」とあり、「年収1000万円超を目指す若きビジネスマン必読マガジン」らしい。

 中身をめくると、「今日び、これかよ!」と思ってしまうような、バブリーな様子でギロッポンあたりをブイブイ(以上、死語)いわせている若手起業家の写真が掲載されている。おそらく、9割の嫌悪と1割の強烈な羨望を集める目的であれば、それはきっと達成している。

 与沢さんは、札束、高級マンション、高級外車、豪華絢爛ディナー、パーティー……と、いつもどおり披瀝してくれており、他の社長陣もそれに続く。

 私は、他人の趣味を批判するつもりはない。私だったらこんなことはできないだろうし、やりたくもないけれど、少なくとも無気力な若者よりもガツガツしている若手起業家のほうが健全だと私は思う。しかし、それにしてもこの上昇志向ぶりは凄過ぎではないか。

 ということで、「ネオヒルズ・ジャパン」創刊記念に、雑誌の全ページに使用されている単語を数えてみた。使用単語から思想を透かしてみよう。驚いたのは、「自分」という単語が頻出する。自分がどうしたいか、どう生きるか、どう働くかは、彼らのマインドの中でもっとも重視されるのだろう。ちょっとピックアップしてみよう。

 「自分」:153回
 「お金」:38回
 「女性」:30回
 「欲望」:30回
 「年収」:27回

 ううむ。なんだかほんとうにバブル期みたいだな。

●ネオヒルズ族とは、挑戦もいとわない好青年?

 次に、動詞性名詞を見ると、「成功」が一番多かった。なるほど、ネオヒルズ族にとっては、成功は結果としてあるのではなく、あらかじめ決められた「行動」なのだな。おなじくピックアップしてみる。

 「成功」:60回
 「仕事」:54回
 「経営」:43回
 「営業」:27回
 「成長」:26回

 創刊号に掲載された起業家が、どんなビジネスをしているのか(どういう商品を、どんなお客に、そしてどんな社会的価値を生んでいるのか)はさっぱりわからなかった。だけれど、使用単語をこう見ると、ネオヒルズ族とは、子供のような願望に素直に生きて、ハードワークや挑戦もいとわない好青年のように思えてきた。