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知られざるヘッドハンティングの世界~優秀な人材を、どのように発掘・調査するのか?

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–その中で、ヘッドハンターをされている方々は、どのくらいいるのでしょうか?

武元 リーマンショック前に調べたときには700人くらいでしたが、今は半分以下になっていると思います。

–減っていく傾向にあるということですか。

武元 減りましたね。リーマンショックを受けて、サーチ型から登録型に転向したという企業が圧倒的に多いですね。今、国内でヘッドハンティングをやっている人は100名前後だと思います。

–そのうち、御社では30名くらいが動いていらっしゃるということですね。

武元 そうですね。だいたいクライアント企業と商談をしていると、競合関係にあるところがだいたい何社くらい商談に臨んでいるのか、その辺がわかってきます。

–お仕事の依頼は、企業のほうから「このような人材を探してほしい」というアプローチをされてくるのですか?

武元 そうです。

●どのようにして、優秀な人材を発掘・調査するのか

–依頼を受けて、どのように人材を探されるのでしょうか?

武元 本書の中でも書いていますが、基本的に我々の情報ソースは、人脈がひとつです。それから、今はインターネットが普及しているのでネットリサーチも行います。上場会社であれば『組織図・系統図便覧』から該当部署を割り出して、調査会社や企業のOB、あるいは我々の知人がいれば、彼らから情報を収集します。ほかに、いろいろな企業にコンサルタントとして入っている方から、守秘義務に反しない範囲で、能力があるにもかかわらず発揮できていない方を目にする場合に声をかけてもらうということはあります。

–そういう人材を発掘するのは、ものすごく手間暇かかりそうですね。

武元 まさにそこが我々のビジネスであり、ひとつの案件に対して想定できる手間暇を事前に見積もりをしてお客様に提案し、ご理解いただければ契約を締結して人材の発掘作業に入るのです。

–依頼があってから実際に契約が成立するまでは、どのくらいの期間がかかるものなのですか?

武元 ここは非常に幅があります。技術職あるいは高度技能職(医師、弁護士、公認会計士など)、経営者などについては、実際に人材発掘を行ってから決定までに時間を要するので、早くて半年、場合によっては1年から2年。4年かかったというケースもあります。受け入れる組織としても、そこまで待っても採用する価値があるので、比較的時間には猶予をいただけます。

 それ以外の営業系や管理・企画系については、スピードを要求されるので、契約をいただいてから、早ければ2カ月目くらいで決定できることもありますし、平均すると半年以内には、ほぼ決定できています。

–ヘッドハンティングされる対象には、普通のサラリーマンの方でもなり得るのですか?

武元 むしろ普通のサラリーマンが対象です。

–それは、その方に転職する意思がなくても、何かしら優秀な人材であれば情報が入ってくるということですか?

武元 そうですね。我々はインターネットのみならず、業界専門誌などもくまなく見ていまして、そこに出ていらっしゃる方もサーチの対象としています。だいたい企業あるいは専門分野を代表するような方が出てきていますので、当然ながらそういう方が情報として飛び込んでくる。時には、良い方がいるとの情報を紹介されることもあります。その方々が、転職を考えているかどうかという情報はありません。

–名前が表に出てくる可能性を考えると、上場会社の方が対象になることが多いのでしょうか?

武元 そうとも限りません。依頼者の希望する要件に当てはまる方が、上場会社に勤めていらっしゃる場合もあれば、そうでない場合もあります。

–要望を受けてから人材を特定するまでが相当難しいように思いますが、依頼に来られた企業担当者自身が、どういう人物が欲しいのかを具体的に把握していないような場合など、実際に企業が必要としている人材を見抜く能力と、対象者が適正かどうかを判断する能力、両方が求められますね。

武元 そうですね。企業側が求める要件に対して、100%希望通りの人材というのはいませんから、どういう要件を備えている人が最も適切なのか、その辺を見極めるセンスが非常に求められるのが、我々ですね。

BusinessJournal編集部

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