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知られざるヘッドハンティングの世界~優秀な人材を、どのように発掘・調査するのか?

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–具体的に「こうすればヘッドハンターの目に留まりやすくなる」ということはあるのですか? 例えば普通の中小企業に勤めている方で、全然脈絡もないところから声をかけられるということは、めったにないと思いますが。

武元 そこは、仕事の成果ですね。加えて、仕事への取り組み姿勢。この2つを総合的に見て判断しますから、成果があっても、中にはその成果を部下から奪い取って自分の手柄にするという方がいますよね。こういう方は、まず評価できないので対象から外れますね。

–候補者に会って、その辺がわかってくるということですか?

武元 会ってわかることもあれば、事前にその辺の情報が入ってくることもありますね。OBなどの内部に精通した方や、取引先相手などから「あの手柄は、実は……」というような話が入ってきたりすることもあるのです。

●これから求められる人材とは

–本書の中で、将来求められてくる人物に言及する記述がありますが、実際に企業からの依頼が増えているのは、どのような人材なのでしょうか?

武元 変革を乗り切っていけるようなリーダーですね。出来上がった組織をルーチンワークでオペレーションしていってほしいというニーズもあるのですが、圧倒的に多いのは、守っていくよりも、攻めていけるリーダーですね。当然、我々に仕事を依頼する費用はそれほど安くはないので、どうしても活用となると、コストパフォーマンスを考えると、リーダークラスということになるのです。ただし、高度技能職についてはその限りではないです。リーダーではなくても、一兵卒の職位であっても、技術のある方は求められます。

–例えば御社に仕事を依頼するに当たって、他の人材紹介サイトに登録するよりも、メリットになるのは、どういう点でしょうか?

武元 20~30代の、例えばルーチンワーク的な仕事をする、あるいは様々な求人媒体で採用できるようなポジションであれば、我々のようなビジネスはまったく使い勝手が悪いと思います。公募などで待っていても集まらない人材であったり、企業としての戦略性を持って探す必要があるような案件、そのように水面下で人材獲得を図っていくということであれば、活用の余地があると思いますね。

–我々社会人が、いろいろな人に評価を得るためにも、普段の会社の中で気をつけるべき点、自分を売り込む術などはありますか?

武元 私もその辺を今、整理をしているのですが、まず群れないでいること、そしてニュートラル・中立であること。それから、タイムマネジメント。この辺は社会人として基本中の基本なのですが、意外とみんな群れていますね。派閥をつくったり、しょうがなくそこに入ってしまったり。あるいは、いつも決まった人で飲みに行くとか。c

群れないというスタンスを築いておける人は非常に評価できますし、特に経営層に抜擢しようと思ったら、そういう人でないといけません。人の好き嫌いや得手不得手があったとしても、求心力を高めていくためには、群れないとか中立性を保てる人、こういう人でないとなかなか難しいのです。

–実際にはとても難しいと思いますが、そのためには相当自分の中で個を確立して自信を持っている人ということになりますね。

武元 そこは、きれいに割り切れないと思います。やむを得ずということもあるでしょうから。しかし、自身の中では中立を保っていこうとする意思を持つと、そこで葛藤があると思うのです。私はその葛藤があればいいと思います。ただ、まったくそういう葛藤もなく、流れに任されて飲み込まれてしまっている、そういう方は要注意です。

–ありがとうございました。
(構成=マサミヤ)

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●武元 康明 (たけもと やすあき)
1968 年生まれ 石川県出身
航空業界を経て大手商社系人材ビジネスへ転身。
約16 年の人材サーチキャリアを持ち、経済界と医師業界を手がける
世界有数のトップヘッドハンター。
航空会社より「Top flyer」を授与されるほど、クライアント対応
から人材サーチを手がけるため国内外を驚異的なペースで毎日飛び回っている。
2003 年10 月サーチファーム・ジャパン設立に参加(常務取締役)。
2007 年1 月同社社長就任。半蔵門パートナーズ代表取締役兼任。
著書:『ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか 』(KADOKAWAメディアファクトリー)ほか

BusinessJournal編集部

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