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家事代行ビジネス、なぜ秘かにブーム?組み合わせ自由、高品質、低価格…多彩なサービスが続々

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 あらゆる家事を高品質で提供するサービスで、中でも特徴的なのが「ハウスコンシェルジュ」と呼ばれるスタッフの質とその教育体制だ。医療関係・ホテル客室係・調理師といった家事関連に活かせる専門職種出身者が揃っており、何段階にも及ぶ研修体制もある。また問い合わせの段階から「サービスプランナー」という専門担当員が対応するという徹底ぶりだ。料金は意外にも1時間3000円台~と安価なこともあり、礼儀作法などにも厳しいとされるシニア層を中心に人気となっている。利用者からも「スタッフの教育が徹底されていて気持ちよい。また頼みたい」(60代・男性)、「とても丁寧でプロの仕事。安心して任せられる」(70代・夫婦)と好評のようだ。

●家事を宅配?

 また、家事代行サービスが異業種とコラボレーションするなど、おもしろい動きも出てきた。

 カジタク(東京都中央区)が運営する「家事玄人(カジクラウド)」は、コジマなど大手家電量販店などの提携店のウェブサイトで、各種家事代行のサービスパックをチケット購入できるというシステム。

 ちなみにカジタクとは「家事を宅配する」という意味で、サービス種類は多岐にわたり豊富ゆえに、広い層から人気を集めている。同社は「今の時期は大掃除シーズンということもあり、普段のお手入れや自分では難しいレンジフードの掃除(12,600円)などが人気となっております」と語る。

 実際に同社サービスを利用した人たちからは、「定額チケット制で料金などが明確でわかりやすい」(20代女性・会社員)、「気軽にスーパーマーケットや量販店で購入できるのが楽」(40代・主婦)と好評だ。

 利用者からの好評は売り上げにも直結しているようで、「全国一律の価格設定も大変ご好評をいただいており、昨年に比べて6倍ものお客様にご利用いただいております」(同社)といい、同社は13年2月期決算の売上高が40億円となり、家事代行サービス業界のトップシェア争いに食い込んできている。

●低価格サービスも登場

 そしてここにきて、前出の高品質を売りにする「家ゴトコンシェルジュ」とは逆に、30分1980円という低料金の家事代行サービスも登場した。リロエステート(東京都新宿区)が提供する「カイテキがかり」というプランである。東京23区内を中心に順次拡大しているといい、リビングの片付け、ベッドメイク、ごみ捨てが基本メニューとなっている。これに、トイレ掃除、炊飯など4種類のサービスから1つを加えられるそうだ。

 同社によると「単身赴任者をメインターゲットとしています」とのことで、利用者からも「自宅にいるように快適に過ごせるのが嬉しい」(30代・会社員)といった声が聞かれる。今後全国に展開していく予定とのことであり、認知度が上がるにつれ、ニーズが高まりだ。

 以上紹介してきた家事代行サービス新興組以外では、以前よりサービスを提供している先駆者たちも健在だ。

 この同分野で売上高1位のニチイ学館(東京都千代田区)は、介護事業に付随する生活支援サービスとして参入。その信用でトップを保ち続けている。同2位のダスキン(大阪府吹田市)は掃除サービスが有名であり、そこから発展して家事全般を代行する「メリーメイド事業」を89年から開始し、フランチャイズ方式で全国に多数の拠点を置いている。これら2トップに大きく水をあけられているものの、同3位のミニメイド・サービス(東京都渋谷区)は83年に創業された日本初の家事代行サービス会社であり、当社はビルメンテナンス業を手掛けていたが、家事代行の分野に参入し、富裕層向けサービスが好評だ。同4位のサンリフォーム(愛知県稲沢市)は大手小売業ユニーのグループ会社で、事業の一部として「家事タスカル」を展開している。

 総務省統計局調べでは、ここ数年の家事代行サービス利用世帯の、同サービスへの平均支出額は1回1万5000円超、年間利用回数は平均10回となっている。10年から利用者は年々倍増というデータ結果もある。利用者が増加している背景としては、利用料金が安くなってきている点が大きな要因だろう。忙しい毎日の中、数千円支払うことで、家の中や洗濯物が片付き、自分の時間も取れるならば、利用したいという人が多いのも納得。家事をプロに任せるというのは「お金で自分の時間を買っている」ということなのだろう。

 多忙な共働き世帯や単身世帯、そして高齢者世帯が増加する中、より便利になる家事代行サービスは今後も拡大が見込まれるといえよう。
(文=成田男)

BusinessJournal編集部

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