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セブン&アイ、ネット販売本格参入の衝撃~小売り各社や異業種参入で激化する宅配市場の裏側

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セブン-イレブンの店舗
 コンビニエンスストアの草分けセブン-イレブン・ジャパンは今年、創業40周年を迎え、11月18日に都内で記念パーティを開いた。コンビニの生みの親で、親会社セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)は、グループの商品の注文をインターネットで受け、近くのコンビニでお客に渡したり、自宅まで配達したりする「ネットとリアル店舗の融合」という考え方を示した。鈴木氏は「1万6000店のリアル店舗とネットの両方を持つのは、日本ではセブンだけ」と優位性を強調した。

 コンビニのセブン、スーパーのイトーヨーカドー、百貨店のそごう・西武など、グループ全社で扱う300万点の商品をネットで買えるようにする。5年以内に、ネットを通じた商品やサービスの売上高を現在の7倍、最大で1兆円規模に拡大させるという。目標の達成時期については「1~2年でどのように波に乗れるか、乗せることができるか。波に乗れば5000億円から1兆円(の達成)はそう遠い日ではない」とした。これまで同社は17年2月期に5000億円の目標を掲げていた。

 セブン&アイが構想している「ネットとリアル店舗の融合」とは、国内1万6000店強のセブンを荷物の受け取り窓口・配達拠点とするビジネスモデルである。鈴木会長は「ネットとリアル店舗を融合させたオムニチャンネル化を進める。気に入らない商品を包装して送り返すのは面倒だが、セブンで受け取れば、そのまま返すことだってできる」と語る。

 この構想を加速させるため、セブン&アイはセブンの店舗について、今年度1500店、来年度は過去最高の1600店を出店し、さらに再来年度は出店数をもっと増やす。鈴木会長は「網の目をより細かくしていかないと、より便利にはならない。時代の変化に対応できないところはドロップアウトしていくが、変化に対して挑戦していくところは伸びていく」と述べ、5万店に達した国内コンビニ市場の飽和説を一蹴した。

●宅配ビジネスにも注力

 セブンは積極的な新規店舗出店に加え、宅配サービスにも本腰を入れる。「ネットとの融合」の拠点となるコンビニの事業を強化するためだ。これまで一部の店舗で行ってきた商品の宅配事業を全国で展開し、16年2月期の宅配の売上高を13年同期の5倍、1000億円に伸ばす計画を打ち出し、工場や高齢者施設への配送をすでに開始。神奈川県の一部の公立学校には9月から日替わり弁当を届けている。

 宅配事業の全国展開に伴い、セブンは11月から宅配用の電動アシスト自転車を1万6000店のすべての店舗に順次、導入する。グループ会社でまとめて購入し、加盟店に有償で貸し出す。注文の多い店舗には1人乗り用の超小型電気自動車(EV)「コムス」を今年度中に1200台導入させ、早期に繁盛店全店に配車する。「コムス」はトヨタ・グループのトヨタ車体が生産するが、同社は年間3000台の販売を目指している。

 コンビニ各社の2013年3~8月期決算では、セブンの強さが際立った。店舗が過密化して顧客の奪い合いが激しくなる中、セブンは「100円コーヒー」の本格導入で客数を確保し、既存店売上高は前年同期比で1.7%の増収となった。ローソンの既存店売り上げは1%減、ファミリーマート(ファミマ)は同2%減だった。

 セブンはいれたてコーヒーの販売では大手コンビニでは最後発だが、カフェ風の味をレギュラーサイズなら100円で楽しめるとあって一気に売り上げを伸ばした。毎月実施する「おにぎり100円セール」も集客力の1つの要だ。

 さらに宅配サービスの拡大で、コンビニ業界2位のローソンと3位のファミマを大きく引き離す構えだ。セブンは06年9月に食事の宅配サービス「セブンミール」を開始。ファミマは12年12月から商品の宅配サービスに参入。ローソンは13年1月からネットを使った食品や日用品の宅配サービス「スマートキッチン」を始めている。