NEW

ミクシィ業績低迷打開策、出会い系サイト買収は吉と出るか?LINE上場への思惑も

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「出会い系サイトYYC」HPより
 2013年第2四半期の業績は過去最悪を記録し、売上高も11年第4四半期を天井に下がり続けるミクシィ。特に広告売上高の減少が著しく、11年の7分の1程度にまで落ち込んでいる。

 一方で10月に、LINEの子会社で、出会い系サイト「YYC」や「youbride」などを運営するDiverseを子会社にすると発表した。業績悪化を食い止めるために取った出会い系の運営という手段は、吉と出るのだろうか。

●やはり出会い系は儲かる?

 まず、「YYC」の会員数は約500万人で、異性へのメール送信1回当たり50円が課金される。もちろんすべてのユーザーが課金するわけではないから、課金ユーザー数を18%としよう。この数字は、市場調査会社シード・プランニングが発表した「スマホゲームの利用実態調査結果」で、有料ゲームサイト「Mobage」への課金率20.8%、同「GREE」への課金率17.3%の数字を平均して、18%のユーザーが課金していると仮定した。ゲームと出会い系でジャンルが異なるので、課金ユーザー割合の信ぴょう性が低い点を了承いただきたい。課金したユーザーが2回メール送信をしたとすると、500万人×18%×50円×2回=9000万円の売り上げとなる。

 次に、「youbride」の会員数は72万人。無料でも利用できるが、メッセージの送受信には月額課金が必要だ。6カ月プランであれば、ひと月当たりの課金額は最低の2100円。したがって、72万人×課金率18%×2100円×12カ月=32.6億円の売り上げとなる。ミクシィの13年第1・第2四半期の売り上げ合計は約58億円であることを考えれば、相当大きなウェートを占めるようになるだろう。

 09年に閉鎖された出会い系サイト「Friends!」を運営していたスター・ビーチの決算報告を見てみよう。当時のユーザー数は約700万人以上に上るといわれていた同社の経常利益は2億円を超える。1ユーザー当たり28円の利益が出ている計算になる。しかも、「Friends!」の利用は完全無料だったのだから、すべて広告費での利益だ。すでに多くの登録者がいるサイトであれば、課金制と併せて広告収入も望め、ミクシィにとってみれば、業績回復を担う上で大きな期待の持てるビジネスであることに間違いはない。

●裏にはLINEの上場への思惑?

 LINEは、同社は否定しているものの、株式上場への準備を進めているとみられる。連結子会社とはいえ、世間一般へのイメージがよろしくない出会い系サイトを抱えていては上場の足かせとなるし、「YYC」や「youbride」がなくても、同社の13年第3四半期の売り上げは156億円と上々だ。出会い系での売り上げがなくなったとしても、まったく痛手にならないと判断したのであろう。

 では、なぜ、ミクシィが受け皿となったのだろうか?

 ソーシャル業界に詳しい関係者によれば、「LINEが『YYC』や『youbride』の受け皿として指名するなら、DeNAやグリーでもよかったはずです。しかし、ゲームへの高額課金や、未成年者の援助交際などの問題が取り上げられている出会い系サイトを売却するとなると、教育団体からの圧力は必至。一方、『mixi』なら15歳以上でなければ会員登録できないので、相対的に圧力は少ないと考えたのでしょう」と、「mixi」が、「Mobage」や「GREE」に比べて、健全なサイトと認知されている点を指摘している。

 出会い系サイトを運営し始めたほぼ同時期に、ミクシィが開発したゲーム『モンスターストライク』のヒットによる株価急騰が起こった。『パズドラ』『黒猫ウィズ』に続く大ヒットアプリ開発を予見した急騰だ。さすがは、老舗ソーシャル企業。出会い系ビジネスを運営しなくとも、業績回復を目指すことは可能なのではないだろうか。そんなミクシィの13年第3・第4四半期の業績回復度合いに期待したい。
(文=久我吉史)