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シニア向けビジネス、なぜ活況?買いやすさ、配慮型店舗…多様なニーズに対応する企業が続々

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●キーワード3:買物難民

 内閣府の調べによると、2025年頃には高齢者のみの世帯が1267万世帯になると予測。経済産業省は、現在、シニア層で約600万人の「買物難民」がいると発表している。同省では2010年に「買物弱者対策支援事業」という名目で補助金を拠出し、全国で買物難民向けのサービスが広がるきっかけとなったのは記憶に新しい。

 現在ではこうした買物難民向けのサービス形態は、「身近に店をつくる」と「家まで届ける」の大きく2つに分かれている。

・「身近に店をつくる」

「シティマーケット」(全日食チェーン・東京都)は、「小売店空白地帯」を狙って開業されたスーパー。売場面積1平方メートル当たりの日商が全国スーパー平均を上回る店舗もあり好調で、現在は全国展開中である。

「セイコーマート」(札幌市)は北海道最大のコンビニチェーン。利尻・礼文などの離島や過疎地に積極的に出店している。生鮮食品も扱っており、シニア層の自宅調理ニーズにも対応。同社広報は「シニアがほとんどの過疎地でも、ニーズがある限り出店していきたい」としている。

・「家まで届ける」

「ハーツ便」(福井県民生協)は、中山間地などの身近な商店が少ない過疎地域へ対応している移動販売車である。停車場所にシニア住民が集まることにより、地域に新たなコミュニケーションが生まれるという相乗効果も創出され、地域のシニア層からは「いろんな人と顔を合わせて会話できるのがうれしい」 「とりの日に出かけられないので助かる」という声があり好評だ。
 
 そのほかにも買物難民向けの弁当宅配サービスに多くの会社が参入しており、ぐるなび、楽天、生協、コンビニなどが群雄割拠の状態で、熾烈な競争を繰り広げている。

●キーワード4:シニア向けレシピ

 
 矢野経済研究所の調査によると、シニア層は自宅調理をする「内食」を好む傾向があるという。しかし、栄養素や分量等に配慮した調理に困っているといい、その悩みに対応したサービスも増えている。インターネットコムの調べによると、レシピサイトの利用シェアで圧倒的トップとなっているクックパッド(東京都)では、Webサイト「健康レシピ」内において、新たにシニア向けレシピの提供をスタートし好評となっている。「少量しか食べられない」「柔らかいものでないと飲み込めない」といった「シニア世代特有の問題に悩む声が多数寄せられていた」と同社はいい、その問題点に着目し対応した。また、嚥下食など、噛む力や飲み込む力が弱ってきたシニア世代に向けたレシピの提供も今後予定しているという。

●キーワード5:サポートグッズ

 日用品業界では、介護は不要だが日常生活のサポートを必要とするアクティヴシニア向けサポートグッズ商品の人気が高まっている。特に「大人用紙おむつ」の分野は、「現在の市場規模は毎年2桁成長を継続中であり、今後日用品分野で一番安定した成長が見込まれている」(矢野経済研究所調べ)と分析されている。

 この分野でトップシェアを誇るユニ・チャーム(愛媛県)の「ライフリー」は、実際に母の介護をしているジャズ・ミュージシャンの綾戸智恵さんを広告に起用。これまでは購入が恥ずかしくて利用に戸惑っていたシニア層にとって、明るく親しみやすい綾戸さんのイメージと、包装に介護用という表記がないため、購入がしやすく、需要が顕在化してきたといえる。同社広報は「介護という直接的な表現ではなく、売場提案として、ADL(activities of daily living:基本的な日常生活動作)を5つに分け、売場でシニアの方に自分がどのタイプでどの商品が最適か、わかりやすいようにイラストで表示している」という。また、「『薄い』『長時間でも安心』という商品特徴を積極的に提案、外出時にも普段通り楽しめるように失禁パッドなど多くの種類を揃えている」と語る。

BusinessJournal編集部

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