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鮫肌文殊と山名宏和、と林賢一の「だから直接聞いてみた」 for ビジネス

あの「お~いお茶」ボトルの川柳、意外に気合入った選考方法?伊藤園さんに聞いてみた

文=鮫肌文殊/放送作家
あの「お~いお茶」ボトルの川柳、意外に気合入った選考方法?伊藤園さんに聞いてみたの画像1ペットボトル入りの「お~いお茶」(伊藤園)

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、「お~いお茶」(伊藤園)のペットボトルに掲載されている、あの気になる川柳の謎について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】

 伊藤園お客様相談室様

 なぜか世の中、川柳ブームである。爆発的な大ヒットというわけではないが、いろんな川柳本が出版されては売れているようだ。皆さんも電車の中吊り広告などで目にする機会があるのではないでしょうか。

「ジジクサイ 思った相手が 同い年」(女子会川柳)
「ア~ンして むかしラブラブ いま介護」(シルバー川柳)

など、一種の「あるある」ネタだとは思うのだが、根強い人気のようだ。

 テレビのバラエティー番組の世界でも、川柳は定番中の定番企画である。『ペケポン』(フジテレビ系)の企画「ペケポン川柳」が一番有名だとは思うが、『笑っていいとも!』(同)や、深夜番組でも川柳を扱ったコーナー企画は多い。やはり日本人のDNAに染み付いた「五・七・五」の定型リズムは見ていて安心感がある。テレビの世界では、決して爆発的なヒットはしないが、絶対に外さない企画としてとても有効なのである。

 川柳と同じ「五・七・五」のリズムで我々に馴染み深いのが、伊藤園の「お~いお茶」ではないだろうか。ペットボトルの側面に書いてある「伊藤園新俳句大賞」。お茶を飲みながら、なんとはなしに見てしまうアレである。

 そこに掲載されている俳句作品、全部同じかと思いコンビニに並んでる「お~いお茶」を調べてみたら、1本1本違っていた。けっこう俳句の数ってあるのね。ちなみに、試しに1本買ってみたボトルに載っていた句は

「青天を 仰ぎし思う 故郷の冬」(都道府県賞 秋田県大仙市・22歳・豊島七海)

というもの。シルバー川柳のくだけたあるあるネタと違い、やはり俳句だけあってマジメな内容である。もう1句載ってたのはこちら。

「目覚めれば 元旦という 真っ白さ」(都道府県賞 岡山県玉野市・35歳・浅野麻紀子)

 新年を新たな気持ちで迎えるに当たって、ピッタリのタイムリーな内容だ。

 でも、この長年慣れ親しんできた「お~いお茶」の俳句。これっていったい誰がどんな基準で選んでるんだろう? 会社内に担当部門などがあるのだろうか。

 だから直接、伊藤園お客様相談室さんに聞いてみた。

「お~いお茶の俳句大賞は、誰がどのような基準で決めてるのですか?」

担当者 その専門の判定をする委員の者が選別しております。

–それは伊藤園の社員の方なんですか?

担当者 いえ、当社の社員ではなく、俳句をつくる方であったり、審査員の方がいらっしゃって、その方たちが決めております。

–完全に外部の方々なのでしょうか?

担当者 はい、さようでございます。作家の阿川佐和子さんですとか、俳句をおつくりになる俳人の金子兜太さんですとか、全部で日本語俳句専門の方が7名。英語俳句というのもございまして。そちらが2名おります。

–どのような基準で掲載する句を決めてますか?

担当者 そうですね、私のほうからはなんとも明確には申し上げられませんが、やはりその季節感であったりですとか、世相を反映しているものですとか、最終的には個人個人の感性になってきますので、審査員が「いいな」と思ったもので特に人気が高かったものを優先して決めているようです。

–いつぐらいに決めているのでしょうか?

担当者 募集期間が毎年11月から2月の末日でございます。そこで一度締め切りまして、その後は審査期間になります。審査を経て、7月7日に大賞を発表させていただいております。

 伊藤園の社内で適当に決めてるのかと思っていたら、かなり気合入ってて驚いた(笑)。ということは、今まさに募集中ということである。私も本名で応募してみようかな。

「初日の出 酒が飲みたい すい炎だけど」(字余り)

 やっぱダメか(笑)。

 というわけで、今年も本連載をよろしくお願いします。
(文=鮫肌文殊/放送作家)

鮫肌文殊

鮫肌文殊

1965年神戸生まれ。
高校二年の春、雑誌「ビックリハウス」の第17回エンピツ賞(小説)受賞を皮切りに、賞を総なめ。若干19歳で短編小説集「父しぼり」(長征社)を発表。NHK 特集への出演を機に中島らも氏の知己を得て、放送作家活動をスタートする。
1990年、松尾貴史の勧めで上京。現在に至る。
パンクバンド『捕虜収容所』のボーカルやDJでの音楽活動。テレビメディアに関するエッセイ等でも活躍中。

Twitter:@samehada19

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