●居場所100万戸創出プロジェクト
–家入さんの選挙活動への批判として、「具体的政策が提示されない」というものがありますが、どのように受け止めていますか?
家入 これまでの選挙活動の中で、多くの人と対談してきましたけど、みんな具体的な政策を聞きたいとおっしゃるんです。「居場所はどうやって生み出すのか?」といった具合です。私は、大きな方針を提示して、それを実現するための具体的方法は、いろいろな方と対話をしながら構築していきます。
山口 居場所について私からの提案としては、東京都は都営住宅を含めて遊休資産を大量に持っていますから、それを全部情報公開して、リバ邸のようにマイノリティに開放してみてはどうでしょうか。それで、まずは10万戸の居場所を確保します。そこに今まで家入さんが携わってきた「スタディギフト」や「キャンプファイヤー」のようなネット型の相互扶助の仕組みも導入できるといいのではないでしょうか。
家入 いいですね。「スタディギフト」や「キャンプファイヤー」は、何か目標を実現するためにネットで趣旨を公開して、共感した多くの人々からそれぞれ少額の支援を受けて、費用を集めるクラウドファンディング型のプラットフォームです。同様に、生活もネットを通じて相互扶助の体制を整えることは可能だと思います。
山口 まさに、そのようなスキームは、家入さんでなければつくれないと思います。家入さんの思想の根底には、「タテ」ではなく「ヨコ」という発想転換があると思います。従来のタテ型では、税金を集めて上から徐々にばらまいています。金融もエネルギーも政策も同様です。それに対して家入さんは、偏在している資源を必要に応じて配分してゆく発想があります。学費や医療費、プロジェクトの費用などでそれを実現できます。そうやって、ゆるやかな人のつながりを行政としてサポートしていく。一方で、建築基準法などの規制を緩和し、デベロッパーに住居建築を発注して100万戸のマイノリティの居場所をつくり、人と人のつながりができる場所を広げていきます。人口の10%くらいの規模でこのような居場所を創出していけば、東京はかなり住みやすい都市に生まれ変わるはずです。
家入 山口さんのような優秀なブレーンの皆さんとの対話、ネットで2万件にも及ぶ提言が集まり、政策が家入陣営の目指すべき目標として組み上がっていっています。このようなやり方が、私は本当の政治のような気がしているんです。