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うつ自殺率は女性の倍…壊れる男性、なぜ多い?「男らしさ」の呪縛と、愚痴という武器

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●しなり力や愚痴が、呪縛を解くカギ

–「男らしさの呪縛」を解くには、どうしたらいいのでしょうか?

Tomy氏 私は「しなり力」と言っているのですが、状況に応じて柔軟に対応する力をつけることです。例えるなら、奈良や京都の古い木造建築。何百年もの間、姿を変えずに形をとどめているのは、強い風や地震が来ても、しなって衝撃を和らげているからです。鉄筋コンクリートの建物は、一見、頑丈そうですが、強い衝撃が加わると一気に壊れることがありますよね。しなり力が乏しいからです。

–「しなり力」を高めるための方法を教えてください。

Tomy氏 精神科医療の現場で行われる「認知行動療法」(CBT)を元にしたトレーニングをするといいでしょう。題して「しなり力ワーク」。CBTは、考え方のゆがみや偏りを洗い出して、実際に変えていくための行動を起こす治療法です。本当は医療機関で医療スタッフがついて行うのですが、自宅でも簡単にできることがあります。自分がつらいと感じていることを、とにかく紙に書き出すのです。「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが、実際にやっている人はそういません。

 ぼんやりと考えごとをして2時間経過、なんていう人はぜひやってみてください。書いた文字を後から見ることで自分にフィードバックされ、「自分はこんな考え方をするのか」と、客観視することにつながります。あるいは、日記を書くだけでもいいですよ。日付と、感じたことと、できればそのシチュエーションも具体的に書くことがポイントです。

–つらいことを口に出すだけでもいいのでしょうか? 女性は割とそれですっきりしているようですが。

Tomy氏 言葉にすることには、書くこととはまた違う良さがあります。人に話して吐き出す行為は、人類にとって「魔法の武器」です。愚痴や弱音を言うと、ストレスをかわすことができます。実際に、女性は女子会でわいわい盛り上がる中で愚痴も言ってスッキリしていますね。男性だって、その武器を使わない手はありません。

 ただ、ちょっとコツがあって、大勢ではなくサシで話すこと。相手もよく選んだほうがいいでしょう。上司や同僚など、利害関係のある人に本音を言ってしまうのは、企業人としての評価が不安になります。社外の友人だとしても、同世代であれば少なからずライバル心がありますから、弱み見せるのは抵抗がありますよね。お勧めは、行きつけのバーのマスターです。相手は愚痴を聞くプロですし、こちらは料金を払っているのですから、安心して話を聞いてもらってください。

–困った時には、ゲイの方に頼るのもアリでしょうか?

Tomy氏 もちろん。今はストレートの人でも入れるゲイバーもあるし、私のブログで相談してもらってもいいですよ。ゲイの方たちは、みんな少なからず修羅場を経験しているから、懐が深いことが多いですね。普段頑張っている男性は、たまには甘えたっていいんですよ。それで人としての価値が下がるなんてことは、決してありません。つらい時は自分をさらけ出していい。そんな「壊れない生き方」を身につけてほしいですね。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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