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“異色の”ソニー銀行、顧客満足度1位と業績好調の秘密~徹底した顧客志向とサービス向上

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“異色の”ソニー銀行、顧客満足度1位と業績好調の秘密~徹底した顧客志向とサービス向上の画像1ソニー銀行営業統括部長の高木文隆氏
 ソニーが苦境にあえぎ続けている中、同社が手掛ける銀行事業を担うソニー銀行の好調さが際立つ。

 日本経済新聞が実施した「第10回 日経金融機関ランキング」(有効回答4124人)で、ソニー銀行は7年連続で顧客満足度トップにランクイン。業績も好調で、2013年度第3四半期の連結業務純利益は前年同期比26億円増の180億円、連結経常利益は23億円増の52億円、連結純利益は9億円増の32億円。住宅ローンの積み上がり、資金利ざやの改善、外貨取引の増加が増益の要因となった。

 ソニー銀行の設立は01年だから、設立7年目で同ランキングのトップにランクインし、以降、トップの座を明け渡していないことになるが、同行が顧客の支持を集めている要素として、以下が挙げられる。

・住宅ローンの繰上げ返済が1万円から可能で、繰上げ返済手数料がゼロである。
・外貨預金では普通預金・定期預金とも12通貨を取り扱っている。
・外貨の普通預金を500円から積み立て購入できるうえに、積み立て日を自由に指定できる。
・銀行業界初の「五つ星センター」(サポートサービス業界の国際機関・HDI<ヘルプデスク協会>の日本法人HDI-Japanによる認定)の認証を「問合わせ窓口」部門、「Webサポートポータル」部門で獲得したコールセンター機能。

 つまり徹底した顧客志向が背景にあるのだが、時に「保守的」「内向き」との批判を受けがちな銀行業界において、なぜソニー銀行はさまざまな顧客重視の取り組みを継続できているのであろうか。

「銀行は顧客満足度の向上と言いながらも、実際は企業の論理が先になりがちで、お客さまにはそれに従ってもらうという体質のところが多いかもしれません。当社は親会社がソニーという背景もあって、メーカーや流通業のような顧客視点を持っている」

 こう語るソニー銀行営業統括部長の高木文隆氏だが、03年に地方銀行から転職してソニー銀行に入社した当時について「目からウロコだった」と振り返る。

「当社の企業理念に『フェアである』という言葉があり、会議では『それって、お客さまにとって本当にフェアなのか?』という発言がよく聞かれました。こんなにまじめにお客さまの立場で議論をする銀行があるのか? と思ったほどです」

●可視化によるサービス品質

 現在、ソニー銀行は全社員で長期ビジョンを策定する「WAYプロジェクト」を推進しているが、会議の席上でも「フェア」という言葉が頻繁に飛び出すという。昨今はさすがにメガバンクや地方銀行、信用金庫なども顧客志向へと方向転換を図ろうとしているが、それでも「当社の顧客志向は銀行界トップクラスだと思う」と高木氏は自負する。

 例えばソニー銀行のコールセンターは、トークマニュアルだけにのっとるのでなく顧客によって応答の仕方を変えているが、そのためにはオペレーターのスキルを向上させなければならない。研修では通話記録などをベースに、一人ひとりの長所と改善点をグラフなどに可視化して、サービス品質の向上に取り組んでいる。

 HDI-Japanは「五つ星センター」認証で、ソニー銀行のコールセンターを次のように評価した。

「担当役員、センター長が、センタースタッフへ工夫を凝らし、センターの方針と戦略を含め、結果や業績報告を包み隠さずに伝えられているため、目標やゴールをセンタースタッフは把握した上で、ビジョンとミッション達成に向けて、一丸になっている」

BusinessJournal編集部

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