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年金支給減に相続トラブル増、どう対応?人気高まる遺言代用信託、家族の継続的収入源に

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「Thinkstock」より
 自身の人生の全うの仕方を考える、いわゆる「終活」がここ数年注目を集めているが、調査サイト「リサーチバンク」(ライフメディア)が昨年、60歳以上の3611人を対象に実施した調査によると、終活を行う目的として最も多かったのが「遺品整理や遺産で迷惑をかけたくないから」だった。ちなみに2番目に多かったのは「最期は自分で始末をつけたいから」だった。

 この調査結果を反映するように、ここ数年で需要が拡大しているのが遺言代用信託である。遺言代用信託とは、委託者が自分の生存中は自分を受益者として、死亡後は自分の子や配偶者などを受益者にするという仕組みで設定する信託である。この金融商品がヒットしているという。

●終活ブームで注目が集まる遺言代用信託

 信託協会の調査によると、遺言代用信託の新規受託件数は2010年度は44件、11年度は64件だったが、12年度に急増して1万8742件、13年度には上半期だけで2万1359件に達した。
 
 信託銀行の受託状況を個別に見ると、例えば三菱UFJ信託銀行が販売する「ずっと安心信託」は、13年6月末時点での累計契約数が約2万7000件だったものが、同年9月末には3万5000件を超え、今年2月末にはついに5万件を超えた。

「ずっと安心信託」の特徴は主に6つある。

(1)委託者が自分の生活状況に合わせて、生活資金を計画的に受け取れる。
(2)委託者が死亡した場合、相続人と相続額が決定するまで凍結される銀行口座と違い、簡単な手続きで遺族が資金を受け取れる。
(3)相続後の生活資金を家族が継続的に受け取れる。
(4)元本保証・預金保険制度の対象である。
(5)管理報酬が無料である。
(6)200万円から預け入れることができる。

「ずっと安心信託」では、(1)~(3)の「自分用(定時定額)」「家族用(一時金)」「家族用(定時定額)」の受け取り方を自由に組み合わせることができる。

 ここで具体例として、委託者の信託金額が1600万円のケースを取り上げてみよう。1600万円のうち委託者が自分の受取額を1100万円に設定し、死亡時に家族が受け取る一時金を200万円、家族が継続的に受け取る生活資金を300万円と仮定する。

 委託者は2カ月に1回、年金の支給されない月に1100万円の原資から、例えば9万円を受け取ると指定することで、生活費の補てんとして計画的に使うことができる。相続発生時に残金があれば、遺族に振り分けられる。また、遺族は相続発生時に200万円を受け取り、例えば葬儀費用などに充てることができる。さらに配偶者が年金の支給されない月に300万円の原資から例えば毎月6万円を受け取ると指定することで、生活費として使うことができる。