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阪急阪神のメニュー偽装、業績にも影を落とす代償と爪痕~会社の指示や圧力も判明

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ホテル阪急インターナショナル(「Wikipedia」より/Kirakirameister)
 阪急阪神ホールディングス(HD)は、傘下の阪急阪神ホテルズなどのメニュー虚偽表示による客離れが響き、阪急阪神ホテルズのホテル事業がマイナス成長となった。2013年4~12月期連結決算のホテル事業の営業収益(売上高に相当)が、前年同期比1.4%減の484億円にとどまった。

 阪急阪神ホテルズは昨年10月にバナメイエビを芝エビと表記していたことなどが発覚。その影響でレストラン部門が低調に推移したことで、減収となった。ホテル事業全体の営業利益は、景気が持ち直し宿泊部門が回復したことで同54.8%増の12億円と増益だ。増益率は大きいが、比較する前期利益が少なすぎた反動である。ただし14年3月期の業績予想はレストラン部門の回復の鈍さを織り込み、営業収益は前期比7億円減の635億円、営業利益は1億円減の8億円とした。ホテル事業の阪急阪神HD全社に占める割合は1割にも満たないが、メニュー虚偽表示のツケは決して小さくなかった。

 ホテル事業を含む阪急阪神HD全社の4~12月期の営業収益は同2.5%増の5106億円だった。最終利益は同29.5%増の503億円で過去最高を記録した。JR大阪駅北側の複合施設「グランフロント大阪」の開業の恩恵を受け、阪急電鉄の鉄道事業が好調。今年100周年を迎える宝塚歌劇団も利益を押し上げた。

 これを受けて、阪急阪神HDは14年3月期の業績見通しを上方修正した。営業収益は従来予想より100億円増の6800億円、純利益は40億円増の460億円とした。主力の阪急、阪神の鉄道事業や不動産事業が好調の中で、ホテル事業が業績に影を落とした。

●関西財界の人事にも飛び火

 偽装表示問題は、阪急ブランドを大きく傷つけた。阪急阪神ホテルズでは昨年10月、運営するホテルで、メニューの表示と異なる食材を使っていたことが判明。10月24日、問題発覚後初めて記者会見した出崎弘社長(当時)は、「偽装ではなく誤表示」と強弁し経営責任を否定。この開き直りともいえる発言が傷口を深くし、レストランのキャンセルが続出したため、出崎社長は引責辞任に追い込まれた。

 激震は社長の辞任だけで収まらなかった。阪急阪神HD傘下の中核事業である阪急電鉄では昨年12月3日、角和夫社長が14年3月1日付で代表権のある会長に退き、中川喜博専務が社長に昇格する人事を発表した。角氏は持ち株会社のHD社長は続投する。角氏は次期関西経済連合会会長の有力候補と目されていたが、事件後、同会副会長としての財界活動を自粛した。

●第三者委調査で露呈した、会社の指示

 全国で相次いだメニューの虚偽表示問題で消費者庁は昨年12月19日、阪急阪神ホテルズと、ザ・リッツ・カールトン大阪を運営する阪神ホテルシステムズなど3社に、景品表示法違反で再発防止などを命じる措置命令を出した。一連のメニュー虚偽表示問題での行政処分は初めてだった。虚偽表示を自主申告したケースでも申告内容にない新たな事実が判明したり、不当表示の事実をホームページで8日間しか公表しないケースもあり、企業側の対応が不十分と判断した消費者庁は行政処分に踏み切った。