NEW
吉田潮「だからテレビはやめられない」(4月9日)

いいとも後番組『バイキング』、「大丈夫?」と不安要素満載の中、激しく震えた月曜回?

【この記事のキーワード】

, , ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『バイキング』公式サイト(「フジテレビ HP」より)
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。

 かつて「日替わり(曜日担当)の司会者」でうまくいった番組があっただろうか? しかも生放送で、あふれんばかりの人数がレギュラーだという。「番組そのものを定着させる気が一切ないのか、それともここからある程度選抜していくのか?」と疑問が浮かぶ。こんなに人数がいたら、そりゃしゃべれずに終わるよね、ビッグダディあたりの素人は。化学反応が起きることを期待して、あえての大所帯にしたのかもしれないが、案の定あまりに多くて落ち着かない。しょっぱなから不安材料だらけで、実は世間の前評判もよろしくなかったのが『バイキング』(フジテレビ系/月~金:午前11時55分~)である。私もまったく期待していなかった。

 火曜日からスタートしたので、とりあえずすべての曜日の初回を観てみる。え? これで大丈夫? まさかタレントや芸人のドヤ顔カラオケを聴かされるとは思わなかった。その感覚の鈍さにびっくり。単純に「時間調整可能なネタ」として挿入しただけなのだろうけれど。万が一コレが続くとしたら、確実に『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)→NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』(再放送)へとチャンネル替えちゃうよなぁ。

 もうひとつびっくり。本来ならMCとして仕切りができる伊藤利尋アナを「検索急上昇ランキング」なるコーナーで小間使いにするとは。カトパン(加藤綾子アナ)でいいじゃん。「伊藤アナって最近テレビで観ないよね、声だけは聞くけど。何か悪いことしたの?」と心配している人も多数。この人たちが『バイキング』仕様の伊藤アナで到底納得がいくとは思えない。

 昼時は「惰性と習慣」が必須。「おなじみの顔」が存在しないと、なかなかに厳しそうな船出ではある。なんだかんだいっても、結局はみんな『ひるおび!』(TBS系)に流れるんだろうなと思っていたら、激しく震えた曜日があった。初回放送が最後になった4月7日の月曜日放送回である。

●サンドウィッチマンの時代到来?

 何が面白かったかって、そりゃもうサンドウィッチマンのコーナー「日本全国地引き網クッキング」だ。まず、中継現場に集まっちゃった素人をスタッフがまったく仕切れていない。地元のガキにもみくちゃにされたまま、伊達みきおと富澤たけしが生中継&生クッキングという過酷な状況。「神は乗り越えられる試練しか与えない」とかなんとか言うけれど、まさにその通りで、あのふたりは完全に乗り越えていた。

 伊達が必死に仕切ろうとするも、ガキに邪魔されて、次第に粗暴で投げやりになっていく。地元の名産物を実際に食べようとするも、料理ができたと聞けば放り投げる始末。さらには富澤のボケと自由度がさく裂。まとわりついてくるガキに対して「子供たちにエルボしてやりましたよ!」「誰かが僕のお尻の穴に指をつっこんでます!」、和太鼓を叩く男性を応援している年輩女性たちに「スケベな女たちですね」、スタジオから必死で呼ぶ坂上忍の声には「ほぼ聞こえないですから」とボケ倒す。カメラが集まった人々を俯瞰で映し出したとき「3年~B組~!」とボケて叫んだ富澤には、思わず膝を打って大爆笑。この瞬間に「毎週月曜日のこのコーナーは絶対に観よう」と心に決めたのだった。

 今後もサンドウィッチマンが過酷なロケ&生中継で、何かをしでかしてくれるはず。雨でも嵐でもやらされるんだろうな、きっと。でもスタジオで大人数に埋もれてコメントできなかったり、MCに気を遣って萎縮するよりも、生中継でざっくり爪痕を残せるほうが大事。やっとサンドウィッチマンの時代が来た、と心から嬉しく思う。
(文=吉田潮/ライター・イラストレーター)

●吉田潮(よしだ・うしお):
ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)、「ラブピースクラブ」(ラブピースクラブ)などで連載中。主な著書に『2人で愉しむ新・大人の悦楽』(ナガオカ文庫)、『気持ちいいこと。』(宝島社)、『幸せな離婚』(生活文化出版)など。カラオケの十八番は、りりぃの「私は泣いています」、金井克子の「他人の関係」(淫らなフリつき)など。