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日産・ルノー連合、15年目の業務提携でルノー支援色鮮明?利益なき台数追求路線も転換か

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日産自動車本社(「Wikipedia」より/Wiiii)
 日産自動車と仏ルノーは、4月1日付で生産、開発、購買、人事の4部門を統合、両社一体で運営する業務体制に移行した。ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15.0%を互いに出資。両社は1999年に資本業務提携を締結以来、今年で15年目を迎え、この節目の年を機に相乗りのかたちで生産体制の強化を図る。

 日産は現在、世界に25カ所、ルノーは20カ所に生産拠点を持っている。現在、相乗り生産は一部の生産拠点にとどまっているが、それを4部門の統合により全拠点に拡大し、両社の車種を機動的に生産できるようにする。

 日産は99年の提携以降、部品の共通化や共同購入などにより、両社が個別に事業展開した場合に比べ12年は26.9億ユーロ(約3800億円)のコスト削減相乗効果があったといい、今回の部門統合により16年までに年間43億ユーロ(約6000億円)のコスト削減を目指すとしている。

 両社が今回、従来の「業務提携」から「業務統合」へ一歩踏み込んだのは「両社の業績停滞が原因」(自動車業界関係者)とみられている。

 日産は08年度、リーマンショックの煽りで営業損益が赤字に転落したものの、09年度から11年度までは順調に回復した。しかし、その後は回復が伸び悩んでいる。売上高営業利益率に至っては11年3月期から毎年低下している。

 一方、ルノーの業績はさらに深刻で、リーマンショック以降、営業損益は赤字と黒字を行き来している状況だ。

 日産・ルノー連合は自動車販売台数こそ世界4位ながら、利益水準ではトヨタ自動車や独フォルクスワーゲンに大きく差をつけられている。この劣勢を挽回するためには「もっと大胆なコストカットが必要」(前出関係者)という次第だ。
 
 さらに、関係筋によれば、「今回の業務統合の裏には、日産とルノーのCEO(最高経営責任者)を兼務するカルロス・ゴーン氏の、ある意図が見え隠れする」という。

●コミットメント経営が招いた利益率低下

 昨年の11月5日、連休明けの株式市場に「ゴーンショック」が走った。日産株が10%も急落したからだ。連休前の1日に日産が発表した「14年3月期業績予想の2期連続下方修正」が原因だった。市場では「ゴーン社長の戦略ミスが業績低迷要因」との声が広まった。

 この時に批判された戦略とは、日産が11年6月に発表した新中期経営計画「日産パワー88」(以下、パワー88)のこと。同計画は11-16年度の6年間に「売上高営業利益率8%」と「世界シェア8%」を同時に達成するのが目標。だが「世界シェア8%のコミットメント(必達目標)を重視するあまり、営業利益率の8%追求がおざなりになっている」(証券アナリスト)というのが日産の実情のようだ。それでも当のゴーン氏は、ゴーンショックの原因となった1日の記者会見で「パワー88は正しい計画であり、達成に向け邁進する」と語り、強気の姿勢を見せた。