吉野家、なぜ暗算で会計する店舗が？本部は見つけるたびに指導？吉野家さんに聞いてみた

–昔の吉野家さんって、空の丼を見て「〇〇円になります」と店員さんが頭の中で計算していたと思うんですけど。

担当者　昔はそうですね、はい。

–もうやっていないのですか？

担当者　最近ではございませんね。

–どれくらい前までやっていたのですか？

担当者　もう遡ること、20年から25年前になりますね。

–そんなに前なのですか……。たまに昔の方法で会計しているお店があったと思うのですが。

担当者　ええ、先ほど申した通り、基本的にはPOS方式で会計をするよう指導しているのですが、暗算をしてしまう従業員も見かけますので、その都度、指導しております。

–昔の暗算方法って、粋な感じがあったんですよね。

担当者　粋な感じですか？

–はい、「なんかいいな〜。復活しないのかな？」と思ってまして。

担当者　ああ、はい。

–復活はないですか？

担当者　左様ですね。今はないですね。

–全店舗で会計のルールをPOS方式で統一しましょうというのは、決まってるのでしょうか？

担当者　ええ、全店共通のマニュアルになっております。

–ということは、まだ暗算で会計しているお店を紹介していただくのは難しいでしょうか……。

担当者　難しいですね。

–わかりました。ありがとうございます。

　というわけで、あの粋な「暗算で会計する店員さん」は、あくまでも吉野家の社内ルール違反なので怒られてしまうという、なんとも苦い回答をいただいた。あの感じが築地（吉野屋の一号店は築地なのだ）っぽくて好きだったのに……。もはや天然記念物になりつつある「暗算でお会計する店員さん」。もし見かけたら、わたくしは温かく見守る所存である。吉野屋もすき家もいろんな意味で頑張れ！
（文＝酒平民、林賢一／放送作家、脚本）