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氷川きよし、セクハラ・暴行・学会勧誘疑惑、所属事務所に慰謝料支払い命令の可能性も

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CD『氷川きよしの昭和の演歌名曲集』(日本コロムビア)
 人気演歌歌手氷川きよしによる元マネージャーへのパワハラ・暴力疑惑をめぐり、氷川の周辺が慌ただしくなってきているようだ。

 事の発端は、4月29日付東京スポーツが、氷川の所属事務所・長良プロダクションが元従業員から数億円を強請られていると報じた記事だ。そして、この記事に真っ向から対立する内容の記事を「週刊文春」(5月8日・15日号/文藝春秋)が掲載。東スポの記事で事務所を強請っているとされた氷川の元マネージャーの証言として、氷川から罵声とともに物を用いて殴られることが頻繁に発生し、出血に至ることもあったため、会社の上司へ相談をしたが放置されていたという内容が掲載されている。

 この元マネージャーは4月に長良プロを退職。現在は氷川より受けた暴力が原因のストレスにより病院で「うつ状態」と診断され、治療を続けている。「文春」記事には彼が上司へ送付した「(氷川を)もう絶対許せませんので、1、2億ぐらいほしいぐらいです」というメールが掲載されているが、このメールを根拠として、東スポに「恐喝」との記事が掲載されてしまったという。

 元マネージャーは、暴行の証拠保全のためにその様子を録音していたといい、さらに暴行以外でも氷川からセクハラや創価学会への強制勧誘の被害も受けていたと証言している。「文春」の取材に対し、長良プロは「すべてノーコメント」と回答しているが、もし「文春」の報道内容が事実であれば、どのような法的問題があるのであろうか。弁護士法人アヴァンセリーガルグループ執行役員・弁護士の山岸純氏は次のように解説する。

「労働者と使用者の間の労働条件などを規律する労働契約法は『使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする(第5条)』と規定し、使用者に対し、労働者の安全を配慮する義務(健康配慮義務)を課しています。もともとは、危険な作業を行う場合などに必要な訓練をさせたり、危険回避に必要な設備・用具を準備することが主な内容でしたが、最近では、セクハラやパワハラが起きないように相談窓口を設置することや、過酷な残業を強いられないよう労働者の勤務時間をしっかり管理することも内容に組み込まれています」

 では、氷川と長良プロは、具体的にどのような法的罰則を受ける可能性があるのだろうか。

「もしも、氷川氏が所属する事務所が、彼の元マネージャーに対する振る舞いを認識していたにもかかわらず、あえてこれを放置していたという場合には、この安全配慮義務違反が問われる可能性があります。もちろん、この安全配慮義務に違反したからといって、事務所の経営者などに刑罰が科せられることはありません。しかし、性的な被害、信教の強要、暴力が繰り返されていたという場合には、精神的損害に対する相応の慰謝料の支払いが命じられる可能性もあります。もっとも、裁判で認められる範囲は、数百万円レベルです」(同)

●芸能プロ特有の事情も

 大手芸能プロによる不祥事疑惑としては、2012年ミス・インターナショナル世界大会グランプリの吉松育美氏が昨年12月、大手芸能事務所・ケイダッシュ幹部からストーカー被害に遭っていたと告発し、刑事告訴と民事訴訟を起こした事件が記憶に新しい。また、しばしば芸能プロ関連の不祥事が世間を賑わすことも多いが、その理由について、テレビ局社員は次のように解説する。

「ケイダッシュ会長の川村龍夫氏や、一昨年亡くなられた長良プロダクション先代会長の長良じゅん氏のように、有力な芸能プロには、強力な実力者が一代で現在の地位を築き上げた会社が多く、どうしてもワンマン経営になりがちです。加えて、どこの芸能プロも経営的に限られた数の人気タレントたちに頼りがちなため、そうしたタレントが問題行為を犯したとしても、見て見ぬふりをしたり隠そうという力が働きやすい。そのため、会社としてのコンプライアンスが二の次になってしまう傾向が強いのではないでしょうか」

 いずれにしろ、一刻も早い真相の解明のためには、氷川、そして長良プロによる公の場での釈明が求められている。
(文=編集部)