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フジの小保方氏パロディー、法的問題点は?人格権侵害の恐れ、お笑いの対象として不適切

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4月9日、会見を行う小保方晴子氏(撮影=吉田尚弘)
 STAP細胞論文問題をめぐり、論文作成のプロセスに不正があると判断した理化学研究所(以下、理研)の内部調査結果に対し、理研の小保方晴子ユニットリーダーが不服申し立てを起こしていたが、理研は5月8日の理事会で、この不服申し立てを退け、再調査しないことを決めた。これにより、小保方氏が研究不正を行ったとの認定が確定し、小保方氏側に論文の撤回を勧告。小保方氏の処分を検討する懲戒委員会も設置した。

 これを受け、今後の焦点は小保方氏の処分や、撤回を含めた論文の扱いなどに移るが、論文責任著者である米ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は一貫して不正認定に反対の姿勢を崩しておらず、小保方氏もSTAP細胞の作製に成功した第三者の存在を主張しており、いまだに事態収束の気配は見えていない。

 そんな中、3日放送のテレビ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)が、小保方氏をパロディー化したコントの放送を予定していたことが判明し、物議を醸している。問題となっているコントには小保方氏を真似た「阿呆方さん」に扮したタレントがスリッパのようなもので頭をはたかれるという内容などが含まれており、放送前に予告動画が同番組公式サイト上に掲載され、そのコントが放送予定であることが判明。小保方氏の代理人がフジテレビに抗議文を送付するなどして、放送見送りに至ったという。

 代理人の三木秀夫弁護士は抗議の理由について、「小保方さんの会見をネタにしているのは明らかで『阿呆方さん』という名前や、頭をはたくというのは人権侵害に当たる」と説明しているが、今回、フジテレビがこのようなコントを放送しようとしていたことについて、どのような法的問題があるのであろうか。弁護士法人アヴァンセリーガルグループ執行役員・弁護士の山岸純氏は次のように解説する。

「まず、一般的に『パロディー』で問題になるのが著作権との関係です。これには複製権(著作権法21条)侵害や翻案権(著作権法27条)侵害などさまざまな議論がありますが、今回の場合、小保方氏の記者会見自体には著作権が発生しようがないので、法的な問題はありません。

 次に、番組では、明らかに小保方氏をもじった『阿呆方さん』という架空の人物を出演させ、しかもそれなりに似せて『スリッパのようなもので頭をはたく』というシーンを演出しているので、小保方氏の人格権を侵害するのではないかという問題が生じます。

 人格権とは、個人の人格的利益を保護するための権利として憲法上認められている権利であり(憲法13条後段)、さまざまな意味合いがありますが、ここでは『みだりに、自分の肖像を描写されない権利』と理解することができます。要するに、本人の意に反して、自分の容姿、またはこれに似たものを面白おかしく取り上げられたり、蔑まれたりすることを防止する権利というわけです。

 自分をモチーフにしたキャラクターがスリッパではたかれるシーンを、テレビという即時性・伝播性のあるメディアで公開されることは、通常の感覚を有する一般人であれば否定的な感情を持ちますし、当然、法律上も問題視されます。もっとも、法律上問題視されるか否かについては、対象となった人物が『有名人』か『一般人』かで結論が分かれる場合があります」