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みずほFG取締役会議長に元大臣抜擢、異例人事の狙いは?政権への保険、実務は「身内」か

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 大田氏が政治の表舞台に復帰するのは、安倍第2次内閣が発足してからだ。13年1月、内閣府規制改革会議議長代理に就任し、同年6月には政府税制調査会委員にも就任した。大田氏は政府税調内で法人税改革を議論するグループの座長になり、法人税率引き下げの先頭に立つ。

 そんな安倍政権と極めて近い大田氏を、13年にはパナソニックとJXホールディングスが相次ぎ社外取締役に招いた。そして今年、みずほFGの経営を監督する取締役会のトップの議長に就く。企業にとっては、安倍政権に保険をかける意味合いがあるといえそうだ。

●“ポスト佐藤社長”への布石

 今回のみずほFGの人事で注目されたのは、取締役会議長を補佐するために取締役会副議長のポストを設け、みずほFGの高橋秀行副社長が就任したことだ。さらに、業務を補佐する取締役会室も置いたが、「大田氏をトップに担ぐが、実質的な業務は身内でしっかり固めるという布陣」(金融業界関係者)との見方も広がっている。

 委員会設置会社への移行後は、指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3つの委員会が取締役会のもとに置かれ、指名、報酬の両委員長は社外取締役が務める。指名委員会は、みずほFG傘下のみずほ銀行やみずほ証券などのグループ企業の役員人事に大きな権限を持つ。委員長には大橋氏が、委員には大田氏、川村氏、甲斐中氏の3人の新しい社外取締役が就任する。役員の報酬を決定する報酬委員会の委員長は甲斐中氏だ。

 一方、職務を監査する監査委員会の委員長には、社内取締役の高橋氏が就く。高橋氏はみずほFGの佐藤社長と同じ日本興業銀行の出身で、みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取時代に企画部門に籍を置き、証券戦略を練り上げた。佐藤社長が「自分の次」と考えている人物の一人だ。大田氏の取締役会議長起用というサプライズ人事の裏で、高橋氏は取締役会副議長と監査委員会委員長を兼ねることで、“ポスト佐藤”の一番手に浮上した。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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